雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

ノーベル賞は凄い ・ 小さな小さな物語 ( 785 )

2016-04-03 16:42:42 | 小さな小さな物語 第十四部
ノーベル賞は凄いって、つくづく思いました。
今さら何を寝ぼけたようなことを言っているのかと笑われそうですが、連日のノーベル賞受賞に関する報道を見ていますと、やはり、「ノーベル賞は凄い」という表現以外に言葉が浮かんできません。
報道している人も、インタビューを受けている人も、もちろん何らかの繋がりや関係のある人は言うまでもありませんが、十人が十人まで、幸せそうな、そして、まるで自分も関係者のような雰囲気を漂わせているのです。もちろん、私もその一人ですが。

医学生理学賞の大村智氏、物理学賞の梶田隆章氏、と連日受賞が報道され、さらに化学賞も期待されるなどの報道もあり、こちらは残念でしたが、そういった報道が単なる希望ではないように感じてしまうのですから、何かと叩かれることの多いわが国ですが、本当にうれしい受賞でした。
このお二人の受賞の対象となった研究が紹介されていますが、もちろん内容などほとんど理解できないのですが、大変興味深く感じました。

まず、大村先生の研究の出発点となった微生物は、1グラムの土壌の中に数億、あるいはそれ以上の数が存在しているというのですから、ただただ驚くばかりです。それらの微生物にも命があるとすれば、1グラムの土の中にわが国の人口を越えるほどの命が存在しているわけですから、どう考えれば良いのか分からなくなってしまいます。先生は、「微生物に感謝したい」と言った発言をされていますが、それこそ気が遠くなるような種類の微生物がすべて役立つわけではないのですから、そのご苦労が推察されます。
梶田先生のニュートリノは、言葉としては比較的知られていますが、凡人にとっては非日常の見本のような存在でもあります。この素粒子に関する研究分野は、わが国が世界のトップレベルにあるとも説明されていましたので、先生の受賞は特に意義が大きいと思われます。この素粒子とやらの正体ですが、手元の記事にその大きさが説明されているのですが、かつては物質の最小単位と考えられていた原子の大きさは、「1千万分の1ミリ」程度で、素粒子はその原子の「1億分の1以下」だそうです。その大きさは、どう計算して、どう考えたらいいのか、茫然としてしまいます。

大村先生の研究から生まれた成果は数多く社会で利用されていて、開発途上国などを中心に、多くの感染症から命や生活を守っているそうです。
梶田先生の研究成果は、素人にはなかなか理解しがたい産物ですが、先生がインタビューの中で、「人間の知の水平線を広げることが出来る」といった内容の発言をされていましたが、その大きさは計り知れないものなのかもしれません。
今回の二人の先生の業績は、私のような俗人から見れば、対極にあるような研究結果にあるように感じられます。そして、その双方で最高峰の栄誉を手にしていただいたことに、まことに勝手ながら嬉しい限りです。
そして、もう一つ、お二人のインタビューや記者会見などを見ていますと、その人柄の素晴らしさが滲み出ているように感じさせていただきました。有能な人ほど心優しい人だということを、私たちに教えてくれたような気もしています。

( 2015.10.09 )



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