一昨日、11月23日夕べは満月でしたが、報道などによりますと、平安時代、藤原道長が、『 この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば 』と、わが世の春を歌ったのは、ちょうど一千年前の満月を愛でて詠んだものなのだそうです。
一千年前の11月23日は、旧暦でいえば10月16日にあたるそうですが、ある貴族の日記にこのエピソードが記されているそうです。
その日から一千年、一万数千回の満月があり、同じ数だけの新月があり、私たちの先人たちは、その折々に満月を仰ぎ見て喜怒哀楽を噛みしめて、時には雲や雨を残念がったりしたのかもしれません。新月の夜は、当然ながら仰ぎ見るべき月はありませんが、その分星は輝きを増し、人々は願を懸け、堪え難い難儀を耐え忍ぶ糧としたのかもしれません。
天体の行動は陰に陽に私たちに影響を与え続けているという考え方もありますし、事実そうなのかもしれませんが、私たちの日々には、いささかの感傷は抱くとしてもほとんど影響を感じることなく、時には、空に星や月があることさえも意識することがないことも少なくないような気がします。
しかし、天体は、地球上から眺めた天体という意味ですが、日々姿を変えています。月の姿の変化ほど明確ではなくても、金星や火星も、日々その位置は変化しており、星座たちも季節単位で見れば大きな変化を知ることが出来ます。
私たちの日常生活にある様々な物、周辺の草木ばかりでなく、山や川や海、毎日使っている器物、さらには毎日のように接し入る人でさえ、毎日少しずつ変化を続けています。
しかし私たちは、日々の僅かな変化に気付くことは少なく、むしろ、そのような変化が毎日敏感に襲いかかって来れば、大きな負担になってしまいます。
しかし、私たちの周辺にあるもの、人間関係も含めて、刻々と変化していることは厳然たる事実なのです。
それは、私たち自身も同様です。毎日同じような時間を過ごしているように感じられることがあっても、厳密には一日とて同じ日はないものです。成長もあり、退化もあるのでしょうが、今日の私が昨日の私と違うことは確かです。
残念ながら私には経験がありませんが、社会的な地位が向上し、権限が高まっていった場合に、「初心忘るべからず」を守るのは、難しいことのようです。
「この世をば わが世とぞ思ふ ・・・」と思ってしまうのは、何も道長だけではなく、最近話題になっている経営者なども、そのような罠にはまり込んでしまったのではないでしょうか。
満ちても欠けても月は月です。その実態に変わりがないことを意識し続けるのは、つくづく難しいことなのだと教えられました。
( 2018.11.25 )
一千年前の11月23日は、旧暦でいえば10月16日にあたるそうですが、ある貴族の日記にこのエピソードが記されているそうです。
その日から一千年、一万数千回の満月があり、同じ数だけの新月があり、私たちの先人たちは、その折々に満月を仰ぎ見て喜怒哀楽を噛みしめて、時には雲や雨を残念がったりしたのかもしれません。新月の夜は、当然ながら仰ぎ見るべき月はありませんが、その分星は輝きを増し、人々は願を懸け、堪え難い難儀を耐え忍ぶ糧としたのかもしれません。
天体の行動は陰に陽に私たちに影響を与え続けているという考え方もありますし、事実そうなのかもしれませんが、私たちの日々には、いささかの感傷は抱くとしてもほとんど影響を感じることなく、時には、空に星や月があることさえも意識することがないことも少なくないような気がします。
しかし、天体は、地球上から眺めた天体という意味ですが、日々姿を変えています。月の姿の変化ほど明確ではなくても、金星や火星も、日々その位置は変化しており、星座たちも季節単位で見れば大きな変化を知ることが出来ます。
私たちの日常生活にある様々な物、周辺の草木ばかりでなく、山や川や海、毎日使っている器物、さらには毎日のように接し入る人でさえ、毎日少しずつ変化を続けています。
しかし私たちは、日々の僅かな変化に気付くことは少なく、むしろ、そのような変化が毎日敏感に襲いかかって来れば、大きな負担になってしまいます。
しかし、私たちの周辺にあるもの、人間関係も含めて、刻々と変化していることは厳然たる事実なのです。
それは、私たち自身も同様です。毎日同じような時間を過ごしているように感じられることがあっても、厳密には一日とて同じ日はないものです。成長もあり、退化もあるのでしょうが、今日の私が昨日の私と違うことは確かです。
残念ながら私には経験がありませんが、社会的な地位が向上し、権限が高まっていった場合に、「初心忘るべからず」を守るのは、難しいことのようです。
「この世をば わが世とぞ思ふ ・・・」と思ってしまうのは、何も道長だけではなく、最近話題になっている経営者なども、そのような罠にはまり込んでしまったのではないでしょうか。
満ちても欠けても月は月です。その実態に変わりがないことを意識し続けるのは、つくづく難しいことなのだと教えられました。
( 2018.11.25 )
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