雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

子守り

2010-04-22 07:34:47 | さても このごろは

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・


子守りは よくさせられた。
わたしは おとんぼなので、両親には甘やかされていたけれど、長兄夫婦と一緒に生活していたし、家計の実権は長兄に移っていたので、兄嫁さんから いろいろ用事を言いつけられた。


子守りをすることも よくあった。その兄の子供はまだ小さく、甥にあたる子を よくおぶっていた。
甥っ子は あまり泣かないし、わたしに懐いていたから あまり世話はかからなかった。


それでも、友達と遊ぶときなど、わたしだけが子供をおぶっているのが いやだなあと思うことが時々あった。


一度、その子をおぶって 友達と 川に入って貝を取っていたとき、兄に首根っこを捕まえられて、川から引き上げられると同時に、ほっぺたを思いっきり叩かれたことがあった。


いま思えば、危ないから注意してくれたんだろうけれど、あの時は、兄さんの子供を なんで わたしがおぶらないかんのかと、叩かれた痛さより なんだか切ない気持になった。
とても 辛かったなあ。


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