『 「裏を見せ おもてを見せて 散るもみぢ」・・、この、まるで、何もかも分ったよ、と言わんばかりの句を見るたびに、良寛の苦しみの影のようなものを感じてしまうのです。』
『 裏を見せ おもてを見せて 散るもみぢ 』
この句は良寛の辞世とされているものの一つです。
貞心尼による「はちすの露」の最後の部分に、辞世として和歌一首、俳句二句が示されていますが、その中の一つです。
また、同書の中に、「こは、御みずからにあらねど」とありますから、自作でないか、あるいは類似の句があったのかも知れません。
ただ、晩年の良寛を最も知る一人である貞心尼が記していることからすれば、折りにつけ良寛はこの句を口ずさんでいたのかもしれません。
( 中略 )
「裏を見せ おもてを見せて 散るもみぢ」・・、この、まるで、何もかも分ったよ、と言わんばかりの句を見るたびに、良寛の苦しみの影のようなものを感じてしまうのです。そして、それだからこそ、私は良寛が好きなのです。
( 「言葉のティールーム」 エピローグより )
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