雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

政府・日銀が為替介入

2024-07-13 18:29:26 | 日々これ好日

     『 政府・日銀が為替介入 』

   政府・日銀が 11日のニューヨーク外為市場で
   円買い/ドル売りの 為替介入を実施した
   約二か月ぶりの 介入だが 円安基調を 
   根本的に修正させる力は ないことが証明されたとも言える
   投機的な動きを 牽制することは必要だろうが
   為替相場は 国力と金融政策などで 動くはずだ
   国家による為替介入は 
   特に自国通貨の下落を守るために行うのは 情けない
   経済力の強化と 金融政策の正常化が 本筋のはずだ
   出来ない理由が あるのだろうが・・

                   ☆☆☆

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妻の供養に救われる ・ 今昔物語 ( 17 - 31 )

2024-07-13 08:21:47 | 今昔物語拾い読み ・ その4

      『 妻の供養に救われる ・ 今昔物語 ( 17 - 31 ) 』


今は昔、
大和国、吉野の郡に一人の僧が住んでいた。名を祥蓮(ショウレン・伝不詳)という。
説教を仕事にして世渡りしていた。法を説いて人を教化していたが、自らの戒律についてはおろそかであった。

さて、この祥蓮もいつしか年を取り、重い病にかかって、数日のうちに死んでしまった。
その後、三年ほど過ぎたある夜のこと、妻である尼が夢を見た。
「尼は、遙かなる山を通り過ぎていたが、日の光は全くない。やがて日も暮れて夜になったので、大きな岩のもとに留まって、ただ一人で夜が明けるのを待っていたが、近くで人の泣き悲しんでいる声が聞こえた。よく聞くと、亡き夫祥蓮の声であった。尼はその声を聞いて、悲しく思いながら訊ねた。『もしや、祥蓮様ではありませんか』と。すると、『我は祥蓮である。我は、生きていた時、戒律を破って恥じることなく、多くの信者から布施を受けながら、その償いを全くしなかった。その罪によって、この孤地獄(コジゴク・孤独地獄。八大地獄などとは別に、散在している地獄、らしい。)に堕ちてしまった。ところが、生きていた時に、時々地蔵菩薩を敬い拝み奉ったことがあったので、毎日三時(サンジ・昼間に勤行する三回の時刻で、早朝、日中、日没。)に地蔵菩薩がおいでになり、我が苦しみを肩変って下さる。これ以外には、全く助かることがない』と言って、和歌を詠んだ。
『 人もなき みやまがくれに ただひとり あはれわがみの いくよへむ 』
( 誰もいない 深山の蔭で たった一人で 情けないことに地獄の責め苦を いつまで受け続けるのだろう )
と言うのを聞いたところで、夢から覚めた。

その後、尼はすぐに仏師に頼んで、三尺の地蔵菩薩の像一体を造り奉った。そして、法華経一部を書写して、吉野川の川上の日蔵(ニチゾウ・三善氏。905 - 985 。はじめ道賢と称したが一度死んで蘇生した後に日蔵と称した。
)君の別所において供養し奉った。
その夜、尼の夢に、故祥蓮が嬉しそうな様子で、端正な姿で清浄な衣服姿で現れ、尼に告げた。「そなたの善根の力によって、我は罪を許されて、ただ今、法華経と地蔵菩薩のお助けをいただいて、浄土に参るところだ」と。そこで尼は夢から覚めた。
その後、尼は喜び、また貴く感じて、ますます地蔵菩薩に帰依し奉ること限りなかった。
これを聞く人も、また尼を誉め称えた、
となむ語り伝へたるとや。

     ☆   ☆   ☆

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