『 つつましやかに、激しかった戦国時代が終りを告げようとする流れを見つめながら晩年を過ごしたのではないか 』
果たして、濃姫は何歳まで生存していたのか。
個人的には、信長の嫡男となる信忠を養子としていることは事実と考え、信忠の誕生前後までに死去したとか、離縁されたという説は受け入れにくい。また、本能寺において、信長とともに華々しく散ったというのはドラマチックではあるが、出来過ぎているような気がするし、その後の情報も無視できない。
慶長十七年の逝去とすれば、徳川の天下がすでに固まっており、大坂夏の陣で豊臣家が滅びるのは三年後のことである。信長の後、天下人となった秀吉にしろ家康にしろ、濃姫を粗略に扱ったり、まして迫害を加えるようなことはなかったはずである。
おそらく、少々頼りない人物ではあるが、織田信雄のもとにあって、つつましやかに、激しかった戦国時代が終りを告げようとする流れを見つめながら晩年を過ごしたのではないかと思うのである。
( 運命紀行「信長と光秀を結ぶ」 より )
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