西園美彌 Blog ~情熱的にGoing My Way~

バレエ・モダン・コンテンポラリーダンサー 振付家 西園美彌(Miya Nishizono)のブログです。

日本ラストステージ

2015-04-03 21:52:20 | 舞台
SWING SET 2015

- 西園美彌「赤い血 白い乳」-

初演は2006年。このタイトル&作品は私が筑波大学ダンス部3年生のときに、作品ミーティングで看護のダンス部同期が「母乳って、お母さんの赤い血液が白くなったものなんだよ。」という言葉を聞いて1人勝手に感動し(笑)、作品にしたい!と思ったのが始まりでした。

2014年はこの作品でコンクールに挑戦でき、私も作品も様々に変化しながら成長していきました。

今日の舞台では先日の東京新聞コンクールで出したテクニック多めな感じでやろうとゲネプロでは踊ったのですが、映像を見てみて

「私のやりたい踊り(作品)はこんなんじゃない!」

と思い、ほぼ当初の原型に変えることを決断しました。

結果、

本番ではとーーーっても気持ち良く踊れました!

同じ作品を何度も踊ることは“熟成”され安定感が増すのですが、一方では自分の身体が初めに感じていた“新鮮さ”が失われ「…あれ~…なんかな~…」と感じるもの。今の私は、次の次元に来たのだと感じました。

振りを原型に戻したことで、当初の私の込めた想いの中に浸りつつ、進化した自分の技術でもってより密度のある落ち着いた演技となりました。

観客にはどのように伝わったのかは分かりませんが、私の中では満足です。

内も外も(スタッフも観客も)お世話になった方々に囲まれ、温かく瑞々しい場所で良い踊りが踊れて幸せでした。そして「よっしゃー!ドイツ待ってろよー!」という気合十分な心地になれました。笑

同僚の方々には私の門出を祝して胴上げもしてもらったし、あとは無事に日本を発つだけ!

皆様、本当に本当に、ありがとうごさいました。

スタートラインに立っている心地、なんとも言えないワクワク感。

まだまだこれから、私は人生を謳歌していきます!!!!



集合写真

2015-03-13 00:42:52 | 舞台

千秋楽後、楽屋にて。





なんて良い写真!!


私の出演した石井みどり作品「体」の初演は1961年。50年前の作品です。

「これぞモダンダンス!」という作品に触れられて幸せでした。

他の作品においても、当時の舞踊家の作品から滲み出る感性の豊かさと潔さにただただ脱帽。スケールが大きく、見る人も踊る人も魔法にかけてしまう、そんな作品ばかりだと思いました。


「体」リハーサルは7月から少しずつ始まり、9月より本格始動。長いようであっという間でした。半年以上かけたリハーサル、もう生活の一部になっていました。都内とつくばの往復、片道1時間半も慣れたもの。

この作品のために集められたのは本当にすごいメンバーでした。実績のある子ばかり…でもみんな、謙虚、真面目、努力家。

なるほど、だからこそ実績があるんだ、というのが分かって良かったです。私は一緒に踊るダンサーのレベルがどんどん上がってるわけですが、上に行けば行くほど、素晴らしい人間性を兼ね備えた人たちばかりでした。

みんな与えられた作品への向かい方やこだわりがあり、個性を保ちつつも場の空気を読んで溶け込める。これだけの人数がいたら全員が全員揃うということは難しいのですが(みんな売れっ子たち)、休んだ時に変わったところはみんなで共有し合って助け合いました。コツとかも共有し合ったり、アドバイスし合ったりも。下に足を引っ張る人は誰もおらず、みんながみんな

ダンサーってすげえ…って思いました。
みんなと仲良くなれて…もう会えないなんて寂しい。でも東京新聞コンクールでほとんどの子と会えるか(笑)

私はリハでは攻めて攻めて、真ん中や前の方にいました。いつ「あなた、下手だから後ろへ行って!」と言われるかとハラハラしながら。(克子先生はそんなこと滅多に言わないんだけど)そうなるまいと思いながら。目立つ事ばかり考えてはいけないけれど、作品の中で“生きる”ためにはと試行錯誤しながらやりました。

約40分のこの作品で私は女性ダンサーの中で唯一ほぼ全部のシーンに出てました。本当に名誉なこと。かなりキツかったけど逆に燃えました(笑)

ダブルキャストだったせりのシーンでは、1日目にまゆこ先輩&はばたん&私、という筑波組がたまたま集まり、本番のレベランスもこの3人は横に並びました。筑波大学に入ったのも、ダンス部に入ったのも、私がいま踊っているのも、しかもこんな凄い人たちの中にいるのも、、、不思議です。ご縁、ですね。



この舞台で私は夢を叶えました。
私が小学生のころにテレビ放映された新国立劇場の舞台「眠れる森の美女」…吉田都さんと熊川哲也さんが主役で、今回の主役の酒井はなさんがフロリナ王女…を見ながら描いた夢。

それは「プロのバレリーナになって、引退したらバレエの先生になる」というものでした。バレエではなかったけれど、新国立劇場の舞台に立てた私。



この作品に出るために、私は1年前から担当クラスを代わってもらってリハーサルを優先したスケジュールを組みました。現代舞踊界の実力派スターがそろっている場で自分も肩を並べられるようになるために、専属のメンタルコーチ(小田桐翔太氏)を雇い、コンクールにも出場して舞台慣れしようと試みてきました。

1年前のセッションで
「この舞台後、みやさんはどんなダンサーになっていますか?」
というジョーくん(コーチ)の問いに
「私、絶対輝いてるー!!」
と言いながら紙にイメージを描いたことを昨日のことのように覚えています。

1年経ち、予想以上に“満ちて”いる自分がいます。


プロフェッショナルなダンサーに囲まれ、自信がついた部分もあるし、諦めがついたものもあるし、悩む必要の無いものも分かってきました。成長してる実感があります。これからもまだまだもっと上に行きたいし、もっと上質なものを掴みたいです。

プロフェッショナルとは。
酒井はなさんの可憐さ。佐々木大さんの男前さ。外見は中身そのもの。パフォーマンスはもちろんのこと、人間性そのものがプロフェッショナルでした。打ち上げの大さん、素敵過ぎでした。いろんな意味で。

外側から見ても内側から見てもなんて魅力的な世界なんだろう。ダンスの世界って。本当に素敵。もっと多くの人に、この世界を知ってもらいたい。

だから私は、これからも頑張ります。

舞台前後の身体のメンテナンス

2015-03-10 22:21:37 | 舞台
今回のダンスアーカイブでは、4日間舞台リハ+2日間本番でした。

こんなに舞台で練習ができるなんて、贅沢過ぎでした



が、しかし、終わった今だから言えること…


この数日の私は連日の舞台稽古に加えて、稽古前の午前中につくばで教えをするなどしていたため、疲労が蓄積し、さらには生理前で腰が重く、感覚が鈍いという状況でした


メールで唐澤先生(理学療法士)に相談したり、メンタルコーチのジョーくんに弱音を吐いたり励ましてもらったりして気持ちでなんとかもっていこうとしました

また、家の掃除をして環境から整えようともしました
舞台前は舞台が成功しますように、と「願掛け掃除」をします。
また生理前は骨盤が開くので身体が歪みやすくなるのかなと思い、身体の歪みを整える意味でも家を整理整頓!


お風呂やストレッチも0時近くに帰宅してから2時間くらいやったり。(ダンサーは誰でもやってることなので決して自慢ではないんですけど…)


自分なりにもいろいろと試したけれど、やっぱり整体師さんにも頼ることに

………


1日目。

緊張と疲労でねじれてしまっていた身体

本番前、左側が詰まってる感覚が全然とれなくて、気持ちの不安の解消だけでもできればと、新国立劇場のトレーナーさんに少し身体を見てもらいました。


直前に整えてもらうことは、感覚が“リセット”されることもあり得ます。
つまり引き上げや伸ばす意識や回路が変わるわけです。実際、生まれたてのような感覚になりました(笑)

でも疲労感からくる不安や身体が使えなくなることよりも、不安なく思いっきり使い切りれる方向性を選択しました。


歪みを直してもらうとすごく軽くなり、お陰で本番はしっかり踊ることができました



1日目の公演後。

とても元気だったのですが時間が経つにつれアドレナリンが抜けて、疲労感がハンパなくなり…

新宿御苑のBAMへ。直前の連絡にもかかわらず快く対応してもらえました

BAM代表の北川くんは1日目の公演を見に来てくれていたので、施術だけではなく舞台上での私の動きも合わせていろいろとアドバイスをくれました。

当たり前ながら施術は素晴らしく、良いイメージで帰宅


………


2日目、千秋楽。

朝起きたらやっぱり体は痛かった…ですけど、緊張が和らいでテンション上がりまくりの2日目でした(笑)


ウォームアップがすんだ時には動きやすい身体でした。体が動いてくれると、もうワクワクしかしないんですよね


メンタルコーチングで1年間やってきたことを思い出しつつ、自分の良いイメージを持ち、本番に備えました。

落ち着きつつ、楽しめそうだなと思いながら舞台にあがり、

無事に踊り切ることができました
今までで一番きつかった!!!(笑)



本番2日目は、舞台全体の雰囲気もなんか良くて

自分の出番も、体調も、全体的な“なにか”の影響がきっとあると思うんですけどね。

本当に色んな経験ができたなぁと思います。

その時、その場ではただただがむしゃらに舞台のために自分がやれる事、やるべき事を考えて行動し、環境を整えます。まだまだだけど、振り返ってみると少しプロフェッショナルな領域に近づけたかなと思えます

………

公演後は打ち上げ行って最後まで残ったので朝帰り


月曜。

気づいたら仙腸関節に違和感が・・・

実は公演後から痛かったんですけど、気にしないようにしてましたし、アドレナリンも出てたことだしほとんど気にならず。


どうやら炎症を起こしてるっぽくて…

しかし昨日は1日予定があって調整はあまりできず。



火曜。


火曜の今日はいつもの指導+代講の教えがはいって1日長く、結構痛み出しててマズイかもと思っていたところ、

たまたま北川くんが仕事でつくばにいると連絡が入り(私どんだけラッキーなんw)

レッスン前に少しだけ施術してもらいました。今の状況は、炎症が治ってきてるっていう



すごーい(笑)
あ、私の治癒力も…?(笑)



しかし本当に、私には頼もしい仲間がいてくれて、有難い!!


私が舞台で輝けるのもたくさんの方のサポートのお陰です


………


もしBAM・北川雄介に興味がある方はこちらへ。身体の使い方、北川くん教えてもらうと目から鱗なことばかり。
https://www.facebook.com/bam3pcs







新国立劇場ダンス・アーカイブ 1日目

2015-03-07 22:57:43 | 舞台
1日目、無事終了しました。


怪我なく終えられて良かった。


見に行けないから、、とわざわざお花を贈ってくださった方々、ありがとうございました。

まさかこんなサプライズ。嬉しかったです!






連日のリハで疲労の蓄積がありましたが、昨日は帰宅してから、2時間くらいずっと、お風呂→マッサージ→お風呂。


努力の甲斐があってか、今日は動ける身体で舞台に乗りました。


家族が見にきてくれた日でした。

福岡から母が。
ドイツから姉と甥っ子が。





公演後は家族と久々の団欒を。
疲労感MAXでしたが甥っ子に癒されました(笑)


明日もあるので気を抜かずに集中していこうと思います。


帰宅したらまた昨日と同様、マッサージしまくります。


明日は千秋楽。

こんなすごい場所で、素晴らしいダンサーたちと、この伝説の作品「体」を踊れること、


本当にすべてに感謝しながら


自分の生きている姿を思う存分に輝かせたいと思います!!!







ダンスプラン2015 その2 舞台に向けて取り組んだこと

2015-01-20 01:01:40 | 舞台

本番に向けての身体の調整とテンション(気持ち)の調整というのは本当に微妙なバランスで成り立っていて、同じ時はありません。その都度感じ、考え、選択しています。

今回は成功したかなと思います。

とにかく沢山のことをしているので書ききれないですが、もしかしたら私の取り組みが参考になるという人がいるかもしれないので書きます。長いです。

…………………………

《舞台本番》
◼︎やすくんと遭遇

「体」リハに向かう早朝のTXでラート世界一のやすくんと遭遇。エネルギーの塊のようなやすくんと話してるとチャンネルが合うような心地良い感じがしてパワーが漲った。人間パワースポット(笑)元気になって癒された。これは今日は良いことが起こる、と解釈。

◼︎ゲネプロ前に「体」リハに参加

これがまさかの朝一発目から通し!しかも克子先生…気合十分!私がリハを1時間で抜けるから、おそらく一発目に通しを…(笑)舞台モードでがっつり踊り、案の定めちゃくちゃ疲れたが、舞台モードでの自分はなにかが違った。良い経験。

◼︎ゲネプロはなんかいまひとつ

「なにかが違う…」疲れてるから?緊張気味?アドバイスをもらいつつどう見えていたかを聞いて、方向性を決める。本番までの時間はひたすら身体調整(体リハで身体痛いw)…そして良かった時の感覚を思い出すために考える。瞑想。自分のテンションを上げる音楽を聴いたり歌ったりしながら…長渕剛「乾杯」を聴いている時ハッと直感が下りてきて決断。

「つけまつげをしない」

基本、舞台メイクにつけまつげは必須。でも、私は目の感覚と身体の感覚はすごく繋がっていて、つけまつげはなんだか重いし、全身の感覚が“閉じて”しまう。つけまつげを付けてると目の輝きを感じれない。感じるように踊ることが私にとっては大事だったことを思い出す。結果、本番では全身の力がうまく抜けて素直な自分でいられた。


◼︎頭を整理する



写真の内容。これは楽屋で書いた。やや混乱しそうな自分を落ち着かせた。自己暗示。

頭が整理される⇒気が楽になる⇒リラックスできる⇒集中する⇒身体的精神的直感が冴える⇒長渕剛「乾杯」の流れ(笑)


《前日》

◼︎願掛け掃除

部屋の掃除。舞台前には良くやる。

◼︎神社にお参り

近所の神社。毎回ではなくふと思いついた時に行く。今回はお参りしてて涙が出た。家族のこと、ご先祖様のこと、応援してくれる人達のことを考えたときだった。

◼︎公開リハ

本番を想定して。また、生徒の皆さんへの感謝の思いを踊りに乗せて。


《2日前》

◼︎ハードスケジュールで身体を絞る

前日は身体を休めさせる時間があったのと、年末年始のダイビング直後の“良い重み”を感じる身体の感覚を思い出すために、

「プールへ行ってアクアビクスを受ける」

水をつかむ、水を感じる、水中での呼吸…etc.水中での身体感覚と身体操作は私にとって大きなヒントに。めちゃくちゃ疲れるけど。

11:40~13:00教え
14:00~15:00プール
16:30~18:00移動
18:00~21:00「体」リハ

ハード過ぎたけど、いろいろ気づけたし、スイッチ入った感じがした。身体が軽くなっていく感じ。関節の滑りが良い。腰と背中は痛かったがこのくらいならなんとかなるだろう、と。

《3~4日前》

◼︎凄い人と出会って自信をつける

その人曰く、私には踊りの神様?守り神?がついてるとのこと。前世から私はひたすら踊ってるとのこと。

そこで私は自信を持った。
…が、しかしそこで大事にしたこと。

「うぬぼれない。自分の才能に溺れない。」

自信は大事。でも才能があっても選択と解釈を間違うと終わり。つまり「練習しなくても大丈夫、神様が守ってくれるはず」というのはあり得ない。努力あるのみ練習あるのみ、かけた時間がモノを言う、と自分に喝。


《食事》

太りすぎても痩せすぎでもダメだから、2週間前から調整を始めた。それまでは精神面重視で選んで食べた。ストレスや運動不足でやや太り気味だったが栄養を蓄える時なのだろうと解釈し、時を待った。年末年始のダイビング合宿から食事の調整を始め、舞台が近づくにつれて次第に整ってきた。途中、「今は我慢だ」と思って食べるのを我慢したりもした。ハードスケジュールにしたのも功を制した。結果、本番では丁度良い身体になった。

《作品をどうしたいか》

◼︎自分が呼んだ観客に届けたい踊りを踊ることにした。

今回私は60名以上もの人を呼んだ。その方々は普段、現代舞踊(モダンダンス)に触れていない人が大半をしめた。コンクールでは現代舞踊向けの方が点が入るとかなんとかがあるし、一応今回も審査される舞台だったが、

「私はドイツへ行くんだ!現代舞踊にハマるんじゃなくて、“自分”を踊るんだ!」

と思ってつくった。やりたいことをやる。そして自分の美意識と感性でやるのだ、と。作品の決着(最後のポーズ)について、審査員の先生に

「なぜあの終わり方にしたの?あれだけ計算して精査して作りこんでいて、あの終わり方だったのは意図的だったんだよね?」

と聞かれ、

『もっと意思的な感じや意味深な感じで終わる方が現代舞踊界の好みかなと思うんですけど、今回私は見に来て下さる方々に向けて踊ったので、綺麗な感じにしたくて、そうしました。』

と答えた。

「やっぱりそうだったんだね。」


…………………………

生きるか死ぬかをよく考えたり、基本ネガティヴな私なので、そのメンタルを克服しようとした一年でした。今となっては、“克服する”のではなく“うまく付き合う”ということが大事であり自分との向き合い方なのだと分かり、上手に調整ができるようになってきたと思います。

・・・真面目過ぎるし考えすぎだとよく言われます(笑)
でもこれが私だから仕方ないかなと。ドイツでは少し遊ぶことも覚えたいと思います(笑)