温泉風呂

　

　高卒の仲間との一泊の宴席も終わり次年度の再会を約束して帰宅する。体内時計は３時過ぎで温泉旅館でも就寝する時間が早い精か家での時刻と同じに目が覚める。３人部屋の仲間は熟睡して安らかな寝息で静かな部屋。３階の部屋から浴場を見ると薄明かりがついている。
　入浴時間は６時からと部屋のパンフレットに載っているがまだまだ早い時間で寝床で我慢をする。仲間の安眠妨害になるのでテレビをつける事も出来ず時間が経つのを寝返りしながら待っている。寝ようと思うが目が覚めて逆に頭が冴えて来る。なかなか時間が経つのが遅く再度窓ガラス越しに浴室を眺めて見る。昨日からの新雪で積雪は多く吹雪模様の悪天候。

　物は試しにとそ～とドアノブを静に廻して廊下に出る。防災の為は廊下の明かりも思ったより明るい点燈で風呂場に行って見る。時計はまだ早朝４時で物音１つしない静けさで玄関のフロァの土産店は閉じられている。浴室に入って行くとスリッパ等の履物は無く俺１人だけ。
　昨夜は宴席前、後の２回の入浴で熟睡出来たのを思い出しながらまだ時間が早いので脱衣はしないで湯槽を見に行く。３槽の湯槽だがそれぞれに源泉が流れ落ちていて熱い湯槽には７割り程の湯量だった。思わずほくそ笑みながら脱衣して熱い浴槽に入る。
　気持ちの良い事忽ち顔から汗れ落ちて来て温まって来る。露店風呂にも入浴に移動するがノブを廻して外に出ると凄い寒さ。弱い吹雪で屋根の下でも雪が落ちて来るので湯槽に寝そべってドップリと湯に浸る。
　まだ外は暗く最上川の流れは微かに分かる程度横殴り雪。こんなに早朝の１人風呂、部屋で寝て休むには勿体なく上腕の肩の痛さがまだ残っていたので有料マッサージをしながら１時休憩する。温まった体は元に戻り再度入浴して汗を流す。５時過ぎると玄関フロァーに行き朝刊を読んでいると２～３名の宿泊客が入浴に起きて来る。
　廊下等の暖房はまだ弱いので寒くなりまた浴場に戻り湯に浸る。６時近くになると小鳥のさえずる声が気持ち良くスピーカから館内から流れて来る。６時に成ると一斉に一段と明るい照明で１日の始まりだった。
　湯治各より入浴回数が多く体を癒す事が出来て、仲間との懇親も出来最高の集まりだった。午後から地元の方の会葬に参列しなければならないので午前のちょっとの晴れ間も見て剪定に行く。