三谷てつおの県議会日記

三重県議会議員三谷てつおが議会での審議の内容やさまざまな出来事を報告。

農政の未来に光は?久々の目からウロコの・・・??

2006年06月21日 05時39分08秒 | 社会、政治、三重県、議員
 戦後最大の農業改革!とか農業政策の抜本的改革!などとウタイ文句は華々しいが、一向に先が見えてこないわが国の農政を考える上で、参考になるのではないか?と思い、一昨日、開催された「政策フリー懇談会」に参加をした。
 この「政策フリー懇談会」は議会図書館のあり方を考える上で、図書館が単なる蔵書と閲覧、読書の場に止まるのではなく、広く政策を考えたり、各種データーベースを活用しての「政策形成」の場として、また、議会の様々な活動の情報発信の場となるよう、「議会改革」の一環の中で「図書館機能の充実」を目指して開催されるようになったもので、二、三ヶ月に一度くらにの割で開催されている。
 「グローバル化と人口減少時代の農政改革」と題した今回の「政策フリー懇」の講師は経済産業研究所上席研究員である山下一仁氏である。
 山下氏にはまことに失礼ではあるが、会場で氏にお目にかかるまで、マッタク、山下氏のことを知らなかった。経歴を拝見すると東大卒のバリバリのキャリアである。
 農水省に入省後、ガット室長やEU日本政府代表部、OECD農業委員会副議長などドチラかと言えば国際畑を歩いてきているようで、絵に描いたようなエリートコースマッシグラか?と思いきや、突如、農水省の外郭団体である経済産業研究所なるところに行ってしまっている。・・・どうも、推測するに余りにも正直に「正論」を言い過ぎたためではないか?と氏の話を聴きながら考えてしまった。
 山下氏の話の概要は、わが国が本格的な少子高齢化・人口減少時代を迎え、米の消費量が大きく減少するのは避けられない。そんな時代背景の中で、従来ののようなWTO・FTA交渉において「関税引き下げに抵抗する」・・・例外を認めさせることへの代償処置としてミニマムアクセス米の増加を容認するなどの農業交渉を繰り返していると、わが国の自給率の向上どころかわが国の農業は破綻をしてしまう。ここは思い切って、従来の関税(消費者負担)依存型農政・価格支持政策から生産者を絞った直接支払い制度への転換・抜本的構造改革をするべきではないか?との提案であった。
 なぜ、今まで、このような農政の転換が出来なかったのか?との質問に対して、農作物の高価格を維持することで多額の販売手数料などを見込めるJAや既得権益維持を目論む農水省内の部局間の問題、さらに、それを守ることによってえられるであろう政治的メリットが構造改革を阻む要因になっていると指摘をした。
 そして、その解決のためには、もはや「外圧」しかないだろう!と言うのが山下氏の結論であった。

 「解決策」が「外圧」しかない!と言うのは、いささか、まことに寂しい限りではあるが、それが日本の政治の限界ならば、それも、また致し方ないと思います。
 でも、それは「日本の農政」だけの話でしょうか?わが三重県の構造改革は?果たして「外圧」なくして、自助努力で、自発的に、自律的になしえるでしょうか?
 「文化力指針」で本当に・・・???