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紅葉三昧 嵯峨野から彦根城・湖南三山の旅 湖南三山編

2021年12月13日 | 旅行
旅の二日目は、いよいよ私にとっての旅の目的、湖南三山巡りです。
でもその前に、同じく紅葉の名所、安土町にある教林坊に向かいました。

嵯峨野のお寺の紅葉もそれなりに味わいましたが、教林坊の紅葉は気のせいか、それとも広大な林の中だったせいか、ひときわ鮮やかに感じられました。











教林坊は推古13年(605年)、聖徳太子によって創建された古いお寺です。
名前の由来は聖徳太子が林の中で教えを説いたからとされています。
ですが教林坊は戦後は長く放置され、荒れ寺となっていたそうです。
平成7年、住職が決まって復興が始まり今日に至ったそうです。
その間、住職を始め多くの人々の並々ならぬ努力があったそうです。

書院や小堀遠州が作った庭園は指定文化財です。

掛軸庭園といって、床の間を作らず、壁面の一部を掛軸型に切って庭園の眺めを楽しむよう作られています。
足立美術館に同様のものがありますが、もちろん教林坊の方がはるかに古く作られています。
実際には、ちょうど外の景色が見られる縁側に観光客が座ってしまい(座ってはいけないと書いてあるのですが💦)、写真を撮るのは大変でした。

旅も終盤で、やっと湖南三山です。
湖南三山、説明によれば、市町村合併で湖南市ができた時に、元々あった湖東三山を意識して新しく作られたとか。
湖南市にある善水時・常楽寺・長寿寺の三つのお寺です。

話によれば、湖南三山はいずれも天台宗のお寺でした。
檀家があるわけではなく、密教の修行の場としてのお寺だったようです。
それゆえ教林坊と同じように守る人がおらず荒れ寺だったみたいです。

ただ文化財としての価値は高く、実際、建物は国宝だし、内部に安置された仏像は多彩で立派でした。
過去には誰も住んでいなかったので仏像が盗難の被害にもあったみたいです。
どのお寺も観光客を満足させることには力を入れていましたが、その理由は修復や維持にお金がかかるからみたいです。

というわけで最初は善水寺。


紅葉もそこそこあったのですが飽きたので建物の写真です。
国宝の本堂です。


この本堂の中で住職のお話を聞きました。

最初のお寺でお話を聞いたので、バスの中で添乗員さんが次の常楽寺さんに電話して、そこでもお話を聞くことになりました。
先の二寺の住職さんがお話したと聞けば三つ目のお寺の長寿寺さんもお話しないわけにはいかなかったみたいです。
結果、三つのお寺の住職さんの各々個性あふれるお話が聞けました。
添乗員さんのスキルにもよりますが、こういうところがツアーの良いところです。

常楽寺の国宝の本堂です。


同じく国宝の三重塔。


三重塔と本堂。


本堂の奥には雷神像やら千手観音菩薩の眷属の二十八部衆の像やら、仏像類がてんこ盛り状態でした。
また境内の散策路には西国三十三箇所観音霊場の石像が1番から33番まで安置されていました。




最後まで歩けば三十三箇所巡ったと同じご利益があったみたいですが、時間の関係で私は途中まで。


ラストは長寿寺です。


ここまで来るとさすがに疲れます。
200m続く紅葉の参道を通り抜けます。


このお寺も観光客を喜ばす工夫がいっぱい。


湖南三山のお寺、紅葉が美しいのですが、多くは今の住職さんが植えたもののようです。
そうして紅葉の時期に観光客に来てもらっています。
それは地域振興もあるのでしょうが、お寺の維持・修復に多額の費用がかかる為のようです。

住職が頑張らないとお寺が成り立たず、文化財も保護されないみたいな。
四つのお寺の住職を兼任していたとか、サラリーマンしながら住職してたとか、住職さん達、お仕事が境内の植栽も含め、体力勝負みたい。

最後の長寿寺の住職さんからは有難いお話を聞きました。
ちょっと身につまされました。
というわけで最後にお寺参りらしい気持ちになって帰ってまいりました。

正直、湖南三山といっても詳しいことは知らず、紅葉が綺麗だそうだからツアーに参加しただけでした。
元からあったのは湖東三山の方だったみたいです。
それはまた今度ということにしたいです。



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6 コメント

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Unknown (yo-サン)
2021-12-14 01:00:37
美しい画像と、分かりやすいセンテンスに臨場感があり感情移入しきりでした。
湖東三山は訪ねましたが湖南とは初めて知りました。

また、
>というわけで最後にお寺参りらしい気持ちになって帰ってまいりました。
このところで、何だかホッと安堵感が致しました。
近年、古寺、名刹等の「観光」記事は数多ありますが、やはり寺やみ仏にはお参りするものだと思うからです。
いつだったかあるブログに「この仏像は初めて見た」だの「まだ見たことがない」などとの記述がありました。
読んでいても何だかとても寂しい思いがしました。

今宵は目の保養、心の保養をさせて頂きました。いつも一人旅ばかりの私ですが、いつかそのような機会に恵まれたいものです。
どうも有難うございました。
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yo-サン様 (みどり)
2021-12-14 11:50:49
湖南三山は平成の市町村合併で新しくできた湖南市が主導して作られたみたいです。
今回良かったと思うのは、紅葉と仏像だけ見て帰るのではなく、湖南三山の住職さん3人のお話が聞けたことです。
それで、どういう事情があり、どういう気持ちで活動されているか分かりました。
財政基盤を整える為の観光化ですが、文化財保護と地域の文化的拠点にもなっています。
住職さんは天台宗らしく一隅を照らす活動をしていらっしゃる。
私も長寿寺の住職さんの話を聞いて、今回の旅の画竜点睛を欠かないで済んだと思いました。
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Unknown (keba)
2021-12-15 19:13:41
紅葉スポットって色々ですね

でも檀家がいないと由緒正しくても廃れてしまう、それわかる気がします。っていうか檀家がいても危うい気がします。相続問題を有耶無耶にしてほぼ全部自分が手中にした義兄、当然義務も引き継ぐべきなのに護寺会の会費は払いたくないと言い出して、またあたしが一喝するという騒ぎがありました(笑)

はさておき、いろんな工夫がされていて訪れた人を楽しませる、ありがたいですね
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keba様 (みどり)
2021-12-15 21:57:21
お寺の存続って、いつの時代も難しいのでしょうね。
そんなもんにお金を使うのは嫌じゃって言う人はどこにでもいますよ。
意外と60代70代くらいの人に多かったりする。
特にお金に困っているわけではないのに、心が貧しいのか。
kebaさん、一喝しましたか。
偉いです。

今回行ったお寺は由緒あるだけでなく国宝やら重要文化財がゴロゴロとあるお寺でした。
それだけでも見応えありですが、色々と植栽して春と秋限定で観光客を入れてます。
おまけにお話までしてくれて。
ほんとに有難いです。
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Unknown (nana )
2021-12-16 10:59:18
紅葉が鮮やかで見ごたえがありますね。
どのお写真も素晴らしいです♪
このように整えておくためには、お庭のお手入れも大変でしょうね。
なかなか行くことは出来ないので、こうして見せていただけて、ありがたいです。
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nana様 (みどり)
2021-12-16 21:29:45
住職さん達、植木屋の心得も、大工の心得もなければ住職の仕事が成り立たないみたいです。
国宝級の建物や庭園なんですけどね。
でもそのおかげで沢山の人達が毎年楽しませてもらってます。
その上、心に沁みるお話まで聞かせてもらいました。
有難いです。
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