緑陰茶話   - みどりさんのシニアライフ -

エッセイとフォト

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庭の植物 井原高校のこと

2023年04月28日 | 男子新体操
いつのまにか庭が花盛りです。

何年か前にも柿の木の下に生えたアミガサタケ。
有毒だけど高級珍味。


終わりかけのクリスマスローズ。


やたら増えたアマドコロ。


名前が覚えられなかった園芸種の花。


シロヤマブキ。


今が満開、ヒラドツツジ。
このヒラドツツジ、以前は赤と白の交じった花が咲いていたのですが近年はほとんど白い花ばかり。




ワチャワチャに茂って咲いてる春蘭。


シニアの学校、家庭園芸科の同じ班の人にいただいたイチゴの苗。
花が咲いて実がついてます。


ミヤマオダマキ。


放置していても勝手に毎年咲くシラー。左手前はカラー。


これも放置していても勝手に増えて勝手に咲くシラン。

名前にランと付くだけあってよく見ると美しい花です。


お隣との境界に植えているダッチアイリス。


おまけ。


            


ちょっと愚痴らせてください。
私がファンの岡山県立井原高校の男子新体操部、大変なことになっている様子。
詳しくは以下の記事参照。

揺れる「新体操のまち」 校地閉鎖で練習場から閉め出された強豪部員 | 毎日新聞

 「新体操のまち」が揺れている。岡山県立井原高校(同県井原市井原町)の南校地が閉鎖され、4月から敷地内の武道場や体育館を拠点にしていた全国トップクラスの実力を誇る...

毎日新聞



この話、井原高校の男子新体操がどれほどの価値を持っているか知らないと受け止め方がまったく違ってくると思います。
そもそも男子新体操なんてマイナーなスポーツやっている一高校のクラブがどうなろうが騒ぐことではない、などと思ってはいけないのです。

日本には、日本国内ではほとんど知られていなくても外国で高い評価を得ているものが少なからずあります。
日本で知られていないのは、ひとえにその事実を取り上げない日本のメディアのレベルの低さに起因します。
日本発祥のスポーツ、男子新体操もその内の一つです。

たとえばロシアは日本の男子新体操にかねてより熱い視線を注いでいて、選手も増やしており、すでにロシア国内で大会も開催されています。
ありていに言って、ロシア人の芸術スポーツに対する慧眼(見る目)は舐めてはいけないわけで、日本人と異なり非常に高いのです。

将来、男子新体操が国際化されることになれば、選手人口を取りそろえたロシアがルール等の主導権を握ることもあり得ます。
そうなった時に、ルール的に不利になって「男子新体操は元々日本のスポーツだったのに」などと言っても遅いのです。

前にも書きましたが、男子新体操は10年余りも国体(現在の国民スポーツ大会)からも外されていました。
ですが2024年から復帰することが決まっています。
国体から一旦外されたスポーツが国体に復帰することなど殆どないことです。
戻ることになった理由の一つは男子新体操の国際的な評価や認知度の高さにあることは間違いないでしょう。

そして国際的な評価や認知度を高めるきっかけとなったのが井原高校の男子新体操だったのです。
その技術と芸術性の高さは見る人を驚愕させました。
そこから国内国外を問わない多くの人が井原だけではない日本の男子新体操というスポーツを興味を持って見始めたのです。

記事中の〈県立高の再編で2006年に統合されるまで旧精研高校があった南校地は、男子新体操界にとって特別な場所だ〉というのはそういう意味です。

そんな井原高校の男子新体操部が、文字通りある日突然、岡山県の教育委員会によって練習場が使えなくなったのです。
その経緯が先の記事です。

もちろん、男子新体操部だけ特別扱いしていいわけではないでしょう。
他にもサッカー部、弓道部が使えなくなったそうです。
男子新体操関係では同じ場所で練習する小中学生らが所属する井原ジュニア新体操クラブ、そして倉敷芸術科学大学の男子新体操部が使えなくなりました。

私はツィッターで情報を得ていたのですが、当初はファンは、事情が分からないので心配しながらも黙って注視してました。
しかし事情が明らかになってみると、要するに、この一件は県と市が要らなくなった校舎部分をどちらが引き受けるかで勃発した騒動です。

そこでは見事なまでに生徒達が無視されています。
県立の井原高校には特例措置で男子新体操をやりに他県から来た生徒達がいます。
私学ですが倉敷芸術科学大学にも、男子新体操をやりたいがために入学した他県出身の学生達がいます。

彼らの思いはどうなるんだろうと岡山県の教育委員会の面々は考えなかったのだろうか。
というより、そういう切実な思いを質にして、井原市に要らない校舎を買わせようとしているわけで。
事実上のロックアウトまでして。しかも関係者が知らされたのは準備する間もない3月30日。
そういうのって、教育委員会がやることか。

なんやかんやで私はここしばらく心がザワザワしてしまった。
私を含めツィッターでファンは、「できることがあれば何でも言ってくれ」と言っています。
お金の問題ならクラウドファンディングでもなんでも協力すると。

今現在は岡山県は1年だけ使わせると言い、井原市議会も維持費の予算案を可決して、使用できるようになったようです。
ただし、猶予は1年だけ。

“新体操のまち” 強豪校の消えた練習拠点 市議会で「1年間、市が維持管理費負担する」補正予算案可決【岡山・井原市】(RSK山陽放送) - Yahoo!ニュース

18年前の岡山国体を契機に「新体操のまち」を掲げた井原市で、新体操強豪校の高校生らが練習拠点を失う事態となっていましたが、きょう(26日)新しい動きがありました。

Yahoo!ニュース



他県の事なので、あまり批判はできないけど、なんと酷いと思うのは私だけ?
今の日本を象徴する出来事のように思う。

来年度以降も選手達が安心して練習できるよう全面解決を祈るばかりです。


坂本花織とケイトリン・オオハシ

2023年04月14日 | 話題
WBCの影に隠れてあまり報道されなかったけど、日本で行われた世界フィギュアスケート選手権大会で、女子シングル坂本花織、男子シングル宇野昌磨、それとペア三浦璃来、木原龍一組が優勝しました。
中でも坂本花織と宇野昌磨は連覇を果たしています。

私が面白いと思ったのが坂本花織選手。
優勝したにもかかわらず、読んでないので内容は知らないのですが、ヤフコメでは随分な叩かれようだったとのことです。
ヤフコメは論外として、叩く人には分からない彼女の革新性、魅力があります。
今回はそれについて思ったことを書きます。

去年2022年のフリーの演技では、振付師は明らかにその彼女の革新性と魅力を全面的に押しだす振り付けをしています。


坂本花織選手に対する批判コメントの代表的なものは、2022年2023年はウクライナ問題でロシアの選手が参加しておらず、そんな大会での優勝は意味がないというもの。
実際、彼女はロシアの少女選手達がバンバン跳んでるトリプルアクセルも4回転ジャンプを跳べていないということ。

この点に関しては二つ指摘できることがあります。
一つはフィギュアスケートは芸術スポーツで、ジャンプの回転数だけを競うスポーツではないということ。

現在は、特に男子では、4回転ジャンプを何種、そして幾つ跳んだかみたいなことばかりテレビでは言われますが、本来フィギュアスケートはそういうものではないのです。
確かにそれによって加点はされますが、絶対的なものではありません。
フィギュアスケートはあくまで芸術スポーツなんです。

もう一つはロシアの少女選手達のドーピング疑惑。
カミラ・ワリエラが所属するエテリ・トゥトベリーゼコーチ門下は選手に対する徹底した管理を行うことで有名です。
当然、発覚したワリエラの薬物使用も周囲の大人達による組織的な関与が疑われています。

15歳ワリエワ騒動を“ただのドーピング事件”にしてはいけない理由…選手たちが語った“ロシアフィギュア界の闇”「みんなやってるよ」(及川彩子)

多くの人がもやもやした気持ちを抱えたまま、フィギュアスケート女子を観戦することになった。ROC(ロシア五輪委員会)の北京五輪フィギュアスケート代表、カミラ・ワリエワ...

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ロシアにおいて、少女選手達がバンバン4回転を跳ぶけれど、その背後で何か物凄く不自然なことが行われているのではないかと、多分フィギュアスケートに多少なりとも興味のある人は感じている筈です。

ドーピングまで行かなくても、フィギュアスケートをはじめとしたスポーツには不健康さ、不自然さが付き物です。
元フィギュア選手の鈴木明子さんは自らの経験からその事実を語っています。

摂食障害、2度の五輪…鈴木明子36歳が語る“遅咲きのスケーターと呼ばれた現役時代”「『自分を大切にする』と『競技性』は相性が悪い」(小泉なつみ)

現在は解説者としても活躍する鈴木明子さんは、日本代表として10年バンクーバー五輪、14年ソチ五輪に出場した。その栄光の裏には、“遅咲きのスケーター”と呼ばれる所以とも...

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要は現在のジャンプ偏重のフィギュアスケートが、女子の選手達にとっていかに過酷なものか、です。
結局、体が大人になりきっていない少女体型でなければ4回転ジャンプを跳ぶのは難しいらしいのです。
ロシアでは、跳べなくなればザギトワがそうであったように、20歳になる前にフィギュアスケートから遠ざかるしかありません。
ザギトワは10代半ばで金メダルを手にし、社会的に成功したからまだ良いのですが、練習の過程で心身を病む選手は少なくないようです。

坂本花織選手はそんなロシアの少女選手達の対極にいる選手です。
坂本選手の持ち味はスピードとパワーであり、女子のフィギュアスケーターでありながら、軽やかというよりどっしりとしてダイナミックな印象を受けます。
体型も、肉付きが良く、太ももが太い。
それは現在のボディポジティブの機運と合致しています。

「ボディポジティブ」については、知ってる人も多いでしょうけど、簡単に説明すると、当初ボディポジティブは太った人への差別に抗議することから始まっています。
要するに、痩せていることが良いことだという体型に対するステレオタイプの価値観に縛られず、自分のありのままの体型(ボディ)を前向き(ポジティブ)に受け入れようという考え方やムーブメントのことです。

この流れの中でフランスやイタリアでは痩せすぎたモデルを規制する法律ができたり、有名ブランドのサイズ展開が豊富になったりしました。
また、ドラマなどでもぽっちゃりしたキャラクターに、今までのように食欲を抑えきれないだらしない性格ではなく「自立して強く賢い」性格が与えられたりしてきているようです。

もちろんこの背景には、痩せていることが良い事だと思いこまされた挙句、多くの女性・少女達が摂食障害に陥っている事実があります。
先の鈴木明子さんも摂食障害を病んでいましたし、女子マラソンの選手の中にもいましたね。
要するに、死んでしまったり(私の知人にもいた)、人生を棒に振る女性達が少なからずいるということです。

一般の女性達も、必ずしも太っているわけでもないのに自分の体型にどうしても肯定感が持てず、不健康なダイエットに走る事例はあまりに多いです。
ボディポジティブの機運はそういう風潮の中で出てきて、それに抗う世界的なムーブメントなわけです。

今までのような、羽のように軽やかにジャンプして舞う女子のフィギュアスケーターのイメージを覆し、ガッシリとした体型でスピードとパワーを持ち、それでいて演技の美しさを兼ね備えた女子のフィギュアスケーターとして坂本花織選手の革新性があると思います。

ボディポジティブの機運の中で、もう一人、世界的に注目を浴びているスポーツ選手がいます。
タイトルにあげたケイトリン・オオハシ選手です。
彼女はアメリカの体操の選手です。
名前からも分かるようにお父さんが日系の選手です。
以下のYouTubeの動画は彼女が床の演技で10点満点を叩きだした時のものです。



動画の再生数は2.3億回、コメント数も5万8千を超えていて、世界中で、どれほど強い関心を持たれているか分かります。
コメントを読んでみると、必ずしも賞賛するものだけでなく、やはりネガティブなコメントもあります。

面白いのはネガティブなコメントには、恐らくロシア人が書いたと思われるキリル文字のものが多いことです。
(もちろんキリル文字でも賞賛コメントはあります。)
中にはケイトリン・オオハシがドーピングしていると決めつけているコメントもあります。
自分達がそれをやっているからって、人もそれをすると思うかなって感じです。

日本人である私から見ると、彼女の体型は日本人によくある体型だと思います。
私もそうなのですが、太ももが凄く張っています。
ヒップよりも太もも回りの方が大きいのです(私もそう)。
でもお腹はペッタンコで、いわゆる脂肪太りとは程遠く、鍛え抜かれた体型です。
(私の場合は鍛えてないので筋肉は少なく単なる脂肪)

ただ人種としての日本人のそういう体型が、そういう体型なのだと外国で理解されるかどうかは疑問で、彼女もまたそれで苦しんだようです。

私がまだ20代の頃、同僚の女性が旅先で外国人から「足が短い」と驚かれたという話をしたことがありました。
それもネガティブな意味合いで驚かれたのではなく、悪気も無く普通に驚かれたらしいのです。

ちょうど日本人が欧米人を見て「頭ちっさー」とか「足長ー」とか言うようなものです。
でも欧米人に「頭ちっさー」はNGワードですし、昔読んだドイツの小説では「この足長!!」と言って若い男性を罵っているシーンがありましたので、身体に関わることは褒めたつもりでも言ってはならないようです。

要するに人種が違うと、そういう体型があるということが分からず、自分達の社会の価値観でそれを判断してしまうのでしょう。
一部のロシア人がケイトリン・オオハシ選手の太ももを見ても、太っているとしか認識できないのはその所為です。
また、認識できないのはは一部のロシア人だけではなかったでしょう。

ケイトリン・オオハシ選手の場合、体操の選手です。
おそらくアメリカの体操界も同様じゃないかと思うのですが、私達には往年のナディア・コマネチのような理想の体操選手のイメージがいつのまにか出来上がっていて、選手がそこから外れることにプレッシャーをかけているのかもしれないです。

ケイトリン・オオハシ選手の経歴を見ると、子供の頃の彼女は体操を純粋に楽しんでいて、ジュニア時代はアメリカの体操エリートとして競技生活を送り、人並み以上の成果もあげていました。
10代半ば頃から周囲の期待や言葉に応えようとして食事制限にハードな練習と無理を重ね、ついには背骨の骨折・肩の損傷で体操エリートの道から脱落したようです。

実際には、思春期の彼女はかなり酷い言葉が投げかけられていたようで、自分の身体に強い劣等感を持っていたらしいです。
一時は体操を止めていたようですが、大学のチームに入り、そこでのコーチとの出会いで、あるがままの自分を肯定し、体操を楽しめるようになったそうです。
10点満点の彼女の演技を見ると、本当に楽しそうだし、彼女のチームメートも演技する彼女の真似をして、その表情から心底彼女をリスペクトしているのが伝わってきます。

思い出すと、あの京都橘高校吹奏楽部の少女達も、台湾公演での動画で、中国本土の中国人からどれほど足が短いとか太いとか体型をディスるコメントを書かれていたことか。
でも楽器を正確に演奏しながら激しくダンスするのにどれだけの体幹の強さがいるか、想像に難くないです。
太ももが太くなるのは当たり前なんです。

要するに体操であれフィギュアスケートであれ何であれ、パフォーマンスの評価に今まで考えられていたような理想の体型は関係なかったってことになります。
それがようやく分かったのが、ボディポジティブのムーブメントの起こった昨今だったのではないでしょうか。

それにしても、優れたパフォーマンスの土台となる日本女性及び日系女性の太ももには「あっぱれ」と言うしかないです。
私も自分の太ももに今までディスってきて悪かったと謝ります。


膝痛

2023年04月03日 | 健康
ここ一月ほど、膝痛に悩んでました。
痛かったのは左膝だけ。
普通に生活している限り痛みはなく、走ったりもできたのですが、正座だけができなくなったのです。
ですから迷いなく東北旅行にも行きました。
要するに正座したり、深くしゃがんだりして、膝に圧がかかると痛むのでした。

茶道を習っているので正座ができないのは困るのです。
茶道のお稽古で使う正座椅子みたいな物もありますが、それを使用しても一定以上に膝を曲げることになるので痛んだのです。

決定的に痛むことになったのも茶道のお稽古がきっかけでした。
その時は2時間くらい正座しっぱなしだったのです。
私、正座には強くって、普通なら平気の筈でしたがダメでした。

すぐに整形外科に行きました。
レントゲンと、後にはMRIも撮っての診断は、軟骨が磨り減っているわけでも、半月板に損傷があるわけでもないということ。
ストレッチをしばらくすれば治ると言われました。

いつも行っている整形外科だったのですが、今回は院長先生ではなく若い先生で、ちょっと頼りない。
自分の判断で、とにかく炎症が起こっている部分の炎症がおさまるまで茶道の稽古は中止しました。
そういうこと(無理をしてはいけないというようなこと)も医師ははっきり指示しないのです。

MRIで分かったことは膝の裏側に問題にならない程度の水が溜まっているということ。
でもそれが正座時の痛みの原因かもしれないとも言われました。
それで水を排出する漢方薬を処方されたのですが、一週間服薬して胃がおかしくなり、止めました。
我ながら私の胃はデリケートです。

治療の柱は自分で行うストレッチと一週間に一度のリハビリでした。
リハビリで分かったことは膝回りから太腿にかけてガチガチに凝りまくっているということでした。
とにかくそれを緩めんことには・・・。
でもリハビリすると正座してなくても膝が痛くなってきて・・・。

ある時からスッと軽くなって、正座しても痛くなくなりました。
結局、ストレッチやリハビリが効いたというより暖かくなったから良くなったみたいな・・・。
でも完治したわけではなく、圧痛はあります。
ですから慎重に無理せず、です。
4月から茶道のお稽古も再開です。