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緑陰茶話   - みどりさんのシニアライフ -

エッセイとフォト

日々の発見と思いのあれこれなど

茶道具と断捨離

2020年10月18日 | 茶道
パソコンを修理に出しているのでスマホからの投稿です。

お茶の先生宅のお稽古での話題ですが、お茶をやってた人がなくなって、お茶道具の価値が分からないまま、道具類が安く売られたり廃棄されたりしているといった話になりました。

それで、ふと思い出したことがありました。
去年の事です。
シニアの為の健康講座の同じ班の人と話していて、何かの話から私が最近お茶を習い始めたことをいうと、なくなった祖母のお茶道具が家にあって、良かったらもらってくれないかと言われたのです。

私は要らないと断りました。
家の中に今以上に物を増やしたくなかったからです。

その話をすると、先生曰く「もらって下さい」と。
先輩も「すぐ電話して」と。
私は思わず『えぇーっ‼️』

私、思わず「もらっても家の中に置く場所がありません」と抗弁しました。
すると先生「一戸建てなんでしょ。片付けて置く場所作れない?」
先輩もまた「公民館のお稽古で使えるじゃない。喜んでいただきますよ」

私、更に焦って「そんな簡単にはいかないです。車で貰いにいかないといけないし。私、運転できないし」
すると別の先輩が「車は私が出します。」

私、なぜか集中砲火浴びてるみたいな……。😥
何がなんでも私に茶道具を貰わそうとしてるよな。

こんなコロナの状態で人の家に行こうとは思わないし、そもそも私が茶道具貰ったって見る目がないから価値も、多分用途も分からないし、本当に仕方ないと言い切るしかありませんでした。

先生にしても、何十年も茶道やっている先輩にしても、価値あるものかもしれない茶道具がみすみす無駄になるのが耐え難かったのかもしれません。
私も全く興味がなかったわけではないですが・・・・。

断捨離は確かに必要なのですが、それで価値あるものがゴミとして処分されているのも事実です。
茶道具はその代表格かもしれないです。


これはその日のお花。
通常、茶室のお花はシンプルです。
でも10月、中置きのお点前の頃は、あるだけのお花を沢山な感じで活けるのだそうです。
私が分かったのは、ヒオウギ・フジバカマ・ヤブラン・エノコログサ・ホトトギスでした。



蝉に結ぶ

2020年08月09日 | 茶道
蝉に結ぶといっても、さすがに私も還暦を過ぎていますので、蝉に紐を結んで飛ばして遊ぶ話ではありません。

お茶の先生宅でのお稽古で、セミがどうとかという話になり、何のことか分からなかったのですが、教えてもらったのが袱紗(ふくさ)を蝉に結ぶやり方。

袱紗というのはお茶を点てる人が帯の左に挟んでいる朱色の布のこと。
それで棗や茶杓を拭くのですが。

夏場、平水指という口の広い大きめの水指を使う時、普通の水指の場合のように水次やかんで水指に水を注ぐということがないようです。
でも、4,5人お稽古した後だと、水が少なくなって、水次やかんで水を注ぐことになり、その時に水指の蓋の上に置いておくのが蝉結びした袱紗なんだそうです。

これです。

蝉に見えるでしょうか。
家に帰って、相当に練習して結びました。
ひょっとしたら結び方を間違っているかもしれません。

茶道では、夏は夏らしくなので、平水指も江戸切子というガラス製。
そこに水が張られているのでやはり涼し気です。
蓋置の方は薩摩切子で、いつも対にして使っているとのこと。
お茶碗も平茶碗という絵柄も涼し気なもの。
外ではしきりと油蝉が鳴いていて、そんな中で蝉結びです。

一種贅沢な遊びの世界かもしれません。
でも茶室の中は戦国時代以前から謀議密議が諮られる場でもありました。
この日も謀議密議というほどではありませんが、誰かが吉村知事の話をしました。
最初に断わっておくと、先生を含め、その場の人は皆さん吉村知事推しです。
東京周辺の人みたいに、今回のことで小躍りして喜んではいません。

で、吉村知事の話をした人曰く「吉村知事はイソジンが新型コロナウィルスの予防になるなんて言っていませんでした」と。
そうなんです。
私も会見はテレビで見てましたが、「予防になる」とも「さあ皆さんイソジンでうがいしましょう」的な、闇雲に使用を勧めるようなことも言っていませんでした。

私が理解できた限りでも、とても限定された使用の仕方だったのです。
でもメディアもネットも彼が「予防になる」と言ったことが既定の事実みたいな報道の仕方。
人気のある吉村知事をここで叩いておかなくては、という思惑がミエミエ。

ネットはともかくメディアが、公共の電波使って言ってもいないことを言ったように扱うのはどうなのか。
当初の会見も誤解されるように編集されて、何度も流されて。
相手が誰であれ、事実と異なることを言い立てて叩いたりすることは醜悪です。

ただ、別の一人の女性は、会見が始まってすぐに、イソジンを買いに走ったそうです。
会見を最後まで見ることもなく、「私が日本で一番早く買いに行っている」と思いながら(笑)。
でもその時すでに売り切れだったそうです。
その時以前に会見は放映されていたようです。

実は私も会見が始まって30秒くらいは『こんなこと言ったらイソジンが売り切れになるのでは?』と思ったのです。
でも会見を最後まで見ていたら買いにいくなんて思いもよりませんでした。
買いに走った人は会見を最後まで見ていなかったか、もしくは会見の内容を理解できなかったのではないでしょうか。

論語に「民はよらしむべし。知らしむべからず」というのがあります。
吉村知事はフルオープンで何でも言いたいみたいですが最低限のことも理解できない人はいます。

どんな研究がなされていて、どの程度の進捗状況なのか、私だって知りたいです。
お茶の先生は「何にも言ってくれないより何でも言ってくれる方がいい」と言ってましたが、どのタイミングで言うかはやはり難しそうです。


今やる? おもやい

2020年02月29日 | 茶道
“おもやい”という言葉、初めて知りました。
“おもあい”とも言うそうです。
漢字では思相とか催合。もやい綱などのもやいが語源とか。
意味は二人以上の者が一緒に仕事をすること。共同作業とか。
そして茶道では・・・。

この間、公民館の茶道教室でお稽古してきました。
さすがに、お茶のお稽古まで中止ではないんです。
準備の時、水屋で茶器にお抹茶を詰める仕事を言いつかりました。

薄茶用の抹茶を詰める器は色々あるらしいのですが、この日は棗と吹雪を使いました。
で、棗二つと吹雪一つを用意しました。
途中、「濃茶の準備はいいの?」と誰かに聞かれたのですが「今はコロナが流行っているし濃茶はいいんじゃないですか」と答えました。
濃茶は複数の人が一つの茶碗で飲み回しますから。

私が用意した茶器は特に何も言われませんでした。
そしてお稽古が始まり半ばを過ぎた頃「おもやいでやりましょう」ということになりました。
私は、『“おもやい”って何?』 状態。
お聞きしたその時の話では、要するに時間短縮のために、薄茶を点てる時に二人分を一つの茶碗で一緒に点てることなんだそうです。
濃茶ではもちろんやりません。最初から一つの茶碗で複数人分点てていますから。

おもやいでは、最初に頂いた人は濃茶の場合と同じように懐紙で飲み口を拭き清めます。
そして次の人が同じ茶碗で頂くのです。
『なるほど』とは思いましたが、でも、よりによって今やることかしらとも思いました。
1年半、そこで稽古しましたが、おもやいは初めてだつたのです。

前に通っていた流派が異なる教室では、サーズの時は濃茶は禁止されていたと聞いていました。
でもこちらの教室では、前回は濃茶のお稽古しましたし、今回はおもやい。
流派によって危機感が全然違うということなんでしょうか。

点てられたお薄は菌が死ぬほど熱いとも思えません。
私は一人目でしたが、次の人は私を信頼して飲むしかないです。

危機管理意識は人によってまちまちなので何とも言えません。
その時も新型コロナウイルスについては話題にはなりましたが「騒ぎ過ぎ」の一言で、誰も全然気にしていない様子、別のイベントに連れだって行くような話さえしていました。
電車に乗っていくような不要不急のイベントは、さすがに私はパスしました。




通っていたシニアの為の健康と医療の講座は、3月いっぱいまでの予定だったのですが、一斉休校の政府の要請に準じて休校の連絡がきました。
準備していた修了に伴う行事も全てキャンセルで、もう行くことはありません。
また会えると思っていた人達と合えなくなったわけで、なんだか人間関係が突然断ち切られたようで寂しいです。

それにしても、場所や人によって異なるこの温度差はちょっと不思議です。

初めての茶事

2019年06月28日 | 茶道
茶道ですが、流派を替えて公民館で続けています。
月に2回なので楽です。
最近、先生から、先生の自宅の方の教室でも習わないかお声がかかりました。
『この人は続きそう』と思われたのでしょうか。
まだ返事はしていません。

それともう一つ、茶事にも誘われ、行ってきました。
茶道では、茶事が本来の正式な茶会なのですが、行きたくても簡単に行けるというものでもなさそうです。
やはり縁がないとだめみたいです。
茶事が終わって、先生に挨拶をした時「茶事が経験できて嬉しかったです」と私が言うと、先生も「茶事は誰もが経験できるものではない。あんたはラッキーや」と言われました。

実は私、茶道には興味が元々あったのですが、習ってみたいと思ったのはNHKのETV特集で「おんな一人 70歳の茶事行脚」というドキュメンタリーを見たからです。
番組案内はココ
半澤鶴子さんという女性。日本で数少ない茶事の出張料理人だそうです。

番組は、70歳を過ぎて、茶事を極めようと一人で車を運転し、時に野宿しつつ全国を行脚された2年間の記録です。
旅で出会った見知らぬ人を茶事に誘い、その土地の食材で料理し、茶を点てる、そんな普通にできることではないことをされた方です。
この番組、私は偶然見たのですが、私だけでなく、その生き方で多くの視聴者に衝撃を与えたようです。

その茶事ですが、どの茶道の教室でもやっていることではないようです。
前に習った流派の教室の場合、大寄せの茶会でさえ1年に1度足らずで、延々と稽古だけの茶道教室を開いていたようです。
今度の先生は公民館の茶道教室も引き受けながら、自宅で本格的な茶道の教室を開いています。それで公民館の教室と両方習いに行っている人もいるようなのです。

自宅の教室の方に私を誘われた時、先生曰く「自宅の教室では公民館のように気楽な雰囲気でなく、一からビシッと全て教えます」との事でした。
他の生徒さんに聞くと、茶事も、最近熱心に行うようになったとのことです。
何でも、先生は自分の知っていることを全部伝えておきたいとのことらしいです。

今回、私が初めて経験した茶事は朝茶事と呼ばれる茶事ですが、本当の朝茶事は朝の6時か7時に始めるらしいです。
先生曰く「でも、それじゃあ来る人が嫌がるやろ」ということで11時開始でした。(朝早くじゃ先生も嫌だと思う)

本来、朝茶事では供される懐石は朝ごはんらしくあっさりとした物らしいのですが、その日出された懐石は時間を昼近くまでずらしたこともあったのか、最初に御膳が運ばれ、その後も次から次へと大鉢で料理が運ばれてきて、堪能できるものでした。
朝茶事は夏の間、朝早くの涼しい時間に茶会を楽しむように設えられています。
お料理もまた夏らしい鯛の刺身の和え物や鱧のお吸い物、賀茂茄子の田楽など季節の食材が使われていました。

茶事の懐石は、いわゆる懐石料理の元である料理で、当然一つ一つも美味しいものでした。
お酒もふるまわれ、客同士の会話が弾むよう工夫されていましたが、私は初めてで、周りもほとんど知らない人ですので緊張しっぱなしでした。
懐石は、先生の妹さんも茶道の先生で、一緒に教えておられるのですが、妹の先生が作られたお料理であるとのことでした。

もちろん全員着物で参加です。
私はこういういで立ち。

6月ですので単衣でしたが、月末でしたので紗でも良いと言われていました。
でも茶事に着ていくような紗の着物を持っていませんのでこれにしました。
写真ではグレーに見えますが、実際には薄いブルーで、いわゆる伝統色の「甕覗き」です。
高価なものではなく、Amazonで買った中古の着物で、中国製のポリエステルです。
私の場合、大変な汗かきなので、夏場はザブザブ洗えるポリエステルの方がよいのです。

懐石の後、主菓子と呼ばれる見た目も美しく涼し気な和菓子が出され、頂きました。
その後、中立ちと言って、一旦、茶室から出て寄付とか待ち合いと呼ばれる別の部屋に行きます。
茶事では、客が最初に入って身なりを整える部屋でもあります。
そこには懐石を頂いている間に、衝立に客の人数分の花入れが掛けられていて、衝立の横にはたくさんの花々が置かれていて、中立ちで待つ間に客が自由に花を活ける趣向です。

銅鑼がなって後半が始まります。
もう一度茶室に戻り、濃茶と薄茶を頂く流れです。
お茶碗をはじめとしたお道具類も夏らしくベネチアングラスや薩摩切子など、亭主の趣向が凝らされていました。茶道が総合芸術と呼ばれる所以です。

もちろん、あらゆることに決まり事があり、日頃のお稽古がものを言うのですが私は場所が変わったこともあり何が何やら(◎_◎;)
特に着物を着ての立居振舞、私は全然です。
蹲(つくばい)で手を洗ったりするのですが、狭い場所での所作はなんか苦手・・・。
反省点ばかりの茶事でした。

で、茶道の稽古を今後どうするのかですが、正直、両手拇指CM関節症もあり、できるのかどうか分からないのです。
その事も先生にお話して、それでも構わないなら秋から先生の自宅でのお稽古も行ってみようと考えています。(秋になると年齢的に年金が丸々もらえて経済的に楽になるし。)
なんか、今の先生は色んなことが学べそうなので、興味は津々なんです。

今回の茶事も、客をもてなす亭主やお手伝いする半東、客の中で一番重要な正客など、今の生徒さんに役を振り分けていて、とにかく場数を踏ませ、慣れさせようとしています。
続けてみれば厳しいながらも面白いように思いました。




はてなの茶碗を買ったみたい・・・

2019年04月06日 | 茶道
2週間に一度の茶道のお稽古、続けています。
ただ2週間に一度なので、習ったことは次回までには忘れます。^^;

というわけで家でもお稽古をするのですが、色々とそれらしい道具があった方がいいわけで、中古で茶碗など買いました。
一番欲しかったのは水指で、鍋を代わりにしてお稽古しても今一つ感じがでないのです。

それで、ネットで中古のお茶道具のセールをやっていたので、水指と、どうせ送料を払わなくてはならないのだからと建水と茶碗を買いました。

問題は京焼の楽茶碗。

使い始める前に洗っておこうと思い、洗い桶につけると微細な泡がプクプクプクプクと・・・。

『これは』と思い、引き上げるとビジビジビジビジと音を立てる。
ひびでもあるのではと調べても、目に見えるようなひびはなく・・・・・。
一度お茶を点ててみました。

お茶を点ててお茶碗を置くと置いた所に細かく汗をかくような状態なのですが、漏れるというほどではない。
漏れる前に早く飲まないといけない茶碗なのかもしれません(笑)

どうもよく分からない「はてなの茶碗」※を買ってしまったようなのです。
セール商品なので返品もできない。

肝心の水指はこれです。

これで水指の蓋を開ける所作などサマになるかもです。

※「はてなの茶碗」についてお分りにならない方はこちらを参照してください。⇒ここ

                                      


庭の茶花の植栽ですが、桃色ミヤマオダマキの花が咲きました。

シャガも咲いています。



上から見たとこ。

春蘭も満開です。

侘助も今が盛りです。