Ring☆Rang☆Rung!

ばかわいらしいもの・お人形・手作りetc.…そこはかとなく綴っています…

夕焼けと パパと 黄金(ビール)と おつまみと 。。。

2008-04-23 11:03:02 | 日記・エッセイ・コラム

 世の中のお父さん達の中には、帰宅後 晩酌を楽しむ方が 大勢いらっしゃることと思います。

 私の父は、定年退職するまで 毎朝5時頃に出掛け、夕方の4時半頃に帰宅していました。

 そして帰宅後 夕飯までの間、お庭に面した居間で テレビを観ながら晩酌するのが日課でした。

 後にウィスキー党になりましたけれども、私が子供頃の父は ビール党でした。

 その当時…。

 父が 瓶ビールの栓を抜き、コップに注ぐのを見計らって、兄と私は子供部屋から父の許へと近付きます。

 美味しいおつまみのご相伴に預かるのが目的です。

 兄と私は、ツバメのヒナの如く 口を大きく開けて待ちます。

 父は親鳥として(?)、兄と私に 一口ずつ分けてくれます。

 母はいつも、父の分のおつまみに 兄と私の分を加えて用意していました。

 実家の隣には 叔母一家が、さらにその隣には 叔父一家が暮らしています。

 それぞれの家庭には、男の子が二人ずついます。

 三軒は、庭続きに行き来することが出来ます。

 夏になると、父は 窓を全開にして 丹精込めて育てた盆栽や木々を眺めつつ、晩酌をしていました。

 すると…?

 子供部屋からは 兄と私が、庭からは 4人の従兄弟達が、わらわらわらわらと湧いて出て来ます。

 ピーチクパーチク、大きく口を開けて待つ6人のヒナに、父は一口ずつ順番に食べさせます。

 ですから母も、この時期のおつまみは 他の季節よりも多めに作っていたのでしょうね…。

 一人また一人と小学校を卒業するに従って、ツバメのヒナが連なることはなくなってしまいました。

 色白の父は、お酒を呑むと 全身真っ赤になりました。

 背後に見える 綺麗な茜空に負けない位…。

 そうして、夕陽を受けて輝くビールは、黄金色でキラキラしていました。

 今も夕暮れになると、時々あの頃のことを 懐かしく想い出します。

 夕焼けと パパと 黄金(ビール)と おつまみと 。。。

 

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