◇ 人間物語 の メール講座 NO29 ◇
やっと
そこに辿り着いた 彼は語る・・・。
「 私は 自分がまだ
幼なかった頃から
今迄 人を愛する事が出来ずに
育ってきてしまっていた。
今日まで出逢った
最初の女性
そして妻
最後の彼女と
勿論その他にも 多くの女性と
出逢ってきたが
この三人だけは 自分でも本当に
愛していたと思い込んでいたが
そうではなかった・・・。
本当は 誰一人として
心底から 愛した人は
いなかった。
私は
幼ない頃に
母を亡くしている。
とても 愛していた母が
その頃の 私のすべてだった。
その母が亡くなった事への
悲しさを境にして
それまで以上に
それ以降の 人への接し方は
必らず 一歩間合をあけての
接し方に変っていた。
そして
それは年が経てば 経つほど
奥深い所で
自分を守る様になっていった。
だが
その事 自体に
私自身も気づかず
なにか自然に
私の 知らないところで
自動的に
ある機能が 働いてしまうと
いった感覚だった。
だから
自分が 淋しくて
自分の為に 愛する 女性に 対してさえ
自分では 心を開いているつもりなのに
ちゃんと計算して
一歩 問合を 開けて
奥深い所で
自分を 守っていた 愛だった。
その事実が
うすうす見え始めてきたのは
結婚して何年か 経ったときだ。
妻さえ 愛していない自分に気づいて
随分と 自分が 惨めに思えた。
あんなに 執拗に迫って
一諸に 成った筈の 妻さえ
自分は 愛していない。
だが
私は それに
目を背け続けていた。
その結果
自分が 妻を
愛せない事を
妻の 責任にしてしまい
次なる 女性を 愛した。
だが
この女性も 本当のところ
自分は 愛していなかったんだと
今は ハッキリと気づいた。
その女性が 私の前から
身を引く様に 去った時
私は
私の前から
去った部分だけを見て
私の中で
自分は被害者で
彼女が 加害者だと見てしまっていて
自分の 気持の中で
いつか思い知らせてやるとか
絶対に許さないといった
逆恨みに 近い 思いを
平気で 産み出してしまっていた。
ところが
その彼女が
そうしなければ
ならない様にしたのは
自分なんだと言う事には
まったく 気づいていなかった。
私自身が
彼女を 加害者に
仕向けておいて
そうした 彼女を 憎んで居た。
むしろ 本当の加害者は
私だった・・・。
そして
それは 今日まで出逢った
すべての 女性にそうであった。
自分自身は
愛してもいず
相手に自分を愛する事ばかり
望んで歩いて来ていた。
相手には 正真証明の 愛を望み。
自分は 一歩間合を おいての
作り物の愛で
愛している ふりをする
相手が どう出て来ても
自分だけは 傷つかない為に・・・。
そして
自分が 一歩間合を おいている為に
どんな人にも
私の事を 愛することは
不可能だった。
相手に 自分の
本当のところを
愛することさえ
許しては いなかった。
それは
私 自身に 原因があった。
幼ない頃に
愛する 自分の 全てだった
母が 亡くなって以来
あの
孤児院時代
面会に来てくれた父に対して
やっと 心を開くと
再び 辛い別れが有る
そんな思いを
何度もして以来
自分が
愛した人に 去られてしまう
悲しさ 苦しさを
二度と
味わいたく無いと言った思いが
恐怖心が・・・。
愛すれば 愛するほど
同時に 内側で 育ってしまっていた。
それはもう
私自身の 愛においての
ひとつの 癖の様に 成ってしまっていて
内側にしっかり
根をおろしてしまっていた。
だから
いつも いつも その癖は
愛の中で 自動的に
私の 知らない内に
その機能は 作動してしまう。
そして
愛する人にさえ
奥底で 心を閉ざしたまま
接する 人間に成ってしまっていた。
ただ 自分だけが
傷つきたくない為に
自分を守ったままで
愛の中へ 関係の中へと入って行く。
これでは 自分が相手を
愛せない・・・。
自分が 相手に関れないだけでなく
相手にも同時に
本当の自分を
愛する事を許せない
本当の自分に関る事を
許せない
様するに
自分の手で
相手に 自分を愛せなくさせている
自分で 相手に自分に
関らせない様に
させてしまっているくせに
そんな事には まったく気づけないで
勿論
相手にどんどん
愛を関ってくることを
要求してしまう。
だって 満たされないからだ。
だが
決っして どんな相手によっても
満たされる事はない。
それは
当然の結果だった
私が 私を守ったままだからだ。
もう今は
あの幼ない頃に
母が亡くなったことも
孤児院での
何度となく 繰り返された父との
別離も・・・。
初恋も・・・。
妻を愛していたつもりが
本当のところでは
愛さずに過ごし続けてきてしまった
緒婚生活も・・・。
全てが つい今しがたまでの
すべてが過去として
消えさってしまって
それらは 二度と帰る事のないものにも
拘わらず。
非のうちどころのない
完壁な 理想人間を目指しているが余り
私は 私の中で
それら全てに こだわったまま
なんとか そこから 抜け出そう
なんとか そんな人間では
無くなろうとしている事自体が
より内側で
それら全てを生かし続ける為の
努力に成ってしまっていて
自らの手で 自分をその中で
生かし統ける結果を
産み出してしまっているなどとは
まさか 思いもよらぬことだった・・・。
過去のすべて
それは ある意味では
私の存在基盤であった。
そこに腰かけて
私の支えとなっていた。
しかし
それらを 私の内側で 生かし続けていた為に
私は ずっと誰一人 愛せない人間でいた。
私が いつも
あんな思いだけは
二度としたくないと
思う事によって
もう 終ってしまって
今は 無いものである過去から
恐怖を
私が勝手に産み出して
作り出していて
それと戦い統ける
生き方をしてきた為に
愛した人に去られ続ける
過去と同様の結果ばかりを
現在である(今)に 産み出し続けて
嘆いたり 苦しんだりして
ずっと 自分の手で
過去の中に生き続けていた 」
彼は 超能力者だ??
何故なら
彼は 素晴らしいことが出来る
秘術を持っているからだ。
絶対に出来えない不可能な事を
可能にしてしまう男だ。
その秘術とは
彼は 終ってしまって
ありも しない過去の中に住み
その過去の中で 暮らしている。
そして
その過去を 現在に
甦えらせる事までやってのけてしまう。
あなたは 超能力者に
憧れなくたっていい。
だって あなたは 既に
超能力者も 真っ青な事をやってのけているのだから。
いまや 世の中は 超能力者だらけだ。
それでは
明日の人間物語のメール講座を どうぞお楽しみに