この道の果てまで・・・

ただ純粋に ただ一途に歩む時
突如として それまでとは まったく違う
次元の異なる大地が あなたの目の前に姿を現す。

★あなたの愛が 永遠の愛と成る為に 52★

2006-08-03 08:06:32 | Weblog


◇ 人間物語 の メール講座   NO19 ◇




そして
この日 彼は 母の本当の お葬式をした
それは 彼の 心の中の お葬式だった。

実際の 母の お葬式は21年も前だったのに
この日 26才で彼は 
母の 本当の お葬式をした。

その彼の
胸の奥底に蘇えった 
彼の母が息を引きとる直前の心情・・・。



これは蘇えってきた
彼の母の亡くなる直前の記憶の中で
母側の気持ちに立って
幼い彼の姿が見えて来た時に 
初めて感じる事の出来る 母の本当の想い・・・。

なぜなら 母側に立てなければ
幼い彼の姿は まったく見えては来ないから・・・。

彼の記憶のままであれば 母の姿が見えてしまうのだ。
亡くなる直前に見えていたであろう 母の視覚を探す事こそ
母の心情を見つけ出すための最大のヒントだ・・・。

その母に見えていた視覚を ただ黙って見つめ続けていると
突然の様に 魂しいが揺さぶられるほどの切なさを伴った
遥か21年前に母の残していった心情に巡り合える・・・。
あなたのハートの中で まるでタイムスリップでもするかの様に
過去が 活き活きとした現在となり蘇える。

その時の母の心情に波長が合い
自然に母の心情は浮かび上がって来てしまう。
 
そして自然に胸の中に
立ち昇ってくる気持ちに正直になりながら
悲しみに翻弄されないようにして書き続けたものが
この文章だよ・・・。

彼は流れ出る涙を 拭こうともしないで
子供の様に泣きじゃくりながら
ただ ひたすらに書き続けていた・・・。




「 たかし もっと こっちに いらっしゃい
どうしたの? そんなに 悲しい顔して
たかしは もっと強い子でしょ・・・?
そんなに 泣いちゃだめ。

もっと 傍にいらっしゃい
こんなに 泣いて
母さんは とっても悪い母さんだね
お願いだから たかし
もう泣かないで。

母さんまで 悲しくなるもの
母さん もっともっと
お前達のことを 愛していれば良かった
こんな事に 成るのを 知っていたら
もっと たかしの事
いっぱい 可愛がってあげていれば良かった。

こんなに ちっちゃい手 かわいい手
父さんに ソックリな顔

たかしの もっと 大きな手
父さんの手 みたいに 大きい手

母さんも 負けちゃいそうな
大きい手になるまで
生きたい・・・。

ごめんね たかし
母さん 許してね。

たかしは 甘えん坊さんだから
余計に 辛いわよね。

母さん たかしが お嫁さん貰うまでなんて
贅沢な事 言わない。

せめて 小学校に上がるまでで 良い
母さん 生きたい・・・。

まだ 何もして あげていないものね。
たかし こっちを向いて
母さんを見て。

母さんの お願い聞いて
お願い たかし。

これからは 父さんに
甘えて ばかりじゃなくて
言う事を 聞いて
父さんを 困らせちゃ 駄目よ。

たかしは おりこうさんだから
わかるわね。

とっても 我侭なところの有る たかしだから
人に迷惑をかける人に成っちゃ駄目よ。
みんなに 好かれる子に成ってね。

そして
母さんの事 忘れないで。

たかしの事を 
とっても 好きで 好きで堪らない
母さんの事 忘れないで。
たまには 思い出してね・・・。

兄弟 仲良くするのよ
2番目のお兄ちゃんだってこと
忘れちゃ駄目。

たかし
母さん 死にたくない・・・。
お前達を 残して死ぬなんて嫌。

もっと もっと 生きたい。
ずうっと お前達の 傍に 居たい・・・。


たかしは
どんな お嫁さんを 貰うんだろうね?

母さん みたいに
早く 死んじゃう人じゃ駄目よ。
丈夫な人を もらいなさい。

こんな事言っても
まだ 今の たかしには
わからないわよね。

たかし 母さんの手 握って 頂戴。
ちっちゃな 可愛い手
いっぱい抱きしめて上げたい。

それが 母さんの 最後にしておきたいことよ 」



彼が この母の 
心情を理解できた時
彼は 母の「死」 以来
口にする事を忘れていた 母を呼んだ。

彼は 心の底から母を呼んだ。
「 母さん 」と 彼は 何度も 何度も 呟いていた・・・。

彼が 1番 辛い思いをして来たと
思っていたが

自分以上に 辛い思いをし
死んでも 死に切れていない

母の辛さを 
苦しさを 
悲しさを
彼の 体全体で感じ取り
理解した。

そして 
自らの 苦しさの 
辛さの 悲しさの中に有っても 

なおも 
自分達の 事を
思いながら死んでいった
母の愛を理解できた時に 初めて
彼は 母の死を認める事が出来た・・・。

頭では無く 身体全体で
ハートで 理解し 認める事が出来た。


それ以来
彼は 母と常に
繋がっている様な感じがすると言う。

更に 
母の死は 彼の中で辛いものでは
無くなってしまった。

いつでも 振り返ることの出来る
懐かしい思い出に変わってしまった。
母からの愛情の確認が出来る
むしろ 嬉しい思い出に成ってしまっていた。


真の理解は 
あなたに 必ずや
素敵な贈り物をもたらしてくれる。 






今日のメール講座は 
これで終わりにしたいと思います。 
明日の人間物語のメール講座を どうぞお楽しみに