◇ 人間物語 の メール講座 NO26 ◇
☆はるかなる知恵への目覚め
(本性の誕生・愛を超えた愛との出逢い
すべてとの出逢い それが愛)
続いて
第四の段階に
彼は 気づくことになる。
彼は
今日まで避け続けて来た
たった一人になって
自身を 見つめる事を決意した。
彼は 三段階目の
事実に気づいた後
必然的に
何故 そんな事を続けて来たのか
もっと深く見つめる為に
自分の心の中を覗き込んでいた。
今や
彼は 誰の所為にも
何の所為にも
しなくなる地点まで 歩き切っていた。
人の所為にしたり
何かの 所為にしたりする事は
余計問題を 解き難くし
その問題から
自分が 目を そらす為のトリックを
自分に 仕掛けている事を
知ってしまっていた。
彼は 自然に そんな事までが
見通せるまでに 成長を遂げていた。
そんな彼が
究極の知恵に至った
きっかけは 都内を走る山手線の中で起った。
彼は この きっかけが 訪れるまで
まる 三日の間 自分の心の中を
覗き込む事だけ 試みていた。
そこで 彼は
とうとう ものの見事に
ある事実を発見した。
彼が 他人より自分の妻に
あたったり
我がままを言ったり
自分勝手が出来ていたのは
何故だったのかを発見した。
彼は 最も奥深い所で
奥さんを 自分のものだと 思い込んでいた。
自分の物と言うのは
自分の自由に
思い通りにならなければ 腹が立つものだ。
人じゃない
まるで物扱いして来た日々
それは 自分の憂さ晴らしの道具だった。
それは 奥さんだけじゃない
いつかしら からじゃない
ずっと そうだった・・・。
自分が生まれた頃から
自分以外の人は 物同然だった。
道具同然の様にしか 見ていず
扱かっていない自分の姿を
はっきりと見た。
妻を自分のものだと
思い込んでいたところから
あたったり 我がままをしたり
随分 ひどい事が出来ていた。
彼は 世の中に
たった1人で 出て来た
この たった1人きりと言う感覚は
私達にとって 一生涯 付きまとう不安感だ。
この 1人という感覚を消す為に
この 不安から逃げる為に
様々な事をして
人に好かれ 誰からも嫌われまいとして
1人と言う不安を
消し去ろうとする。
だが その不安からは
逃がれられない。
今度は 様々な物を
自分の物だと思い込む事によって
やはり この不安から
逃げ様として生きている。
彼は この事実に出くわした
そして 更に進んだ。
「 今まで一生懸命に 掻き集めてきた金銭を
私の物だと 思い込んでいたが
こうして 仕事も出来なくなると
全部 吐き出さなければ いけない
私の自由などには ならない。
今まで 自分のものだと思って来た会社も無くした。
やはり 会社も 私の物 私の自由に
永遠になっている事など 不可能だ。
うまく物事が 進んでいた時は 確かに
そんな感覚を 与えてはくれた。
だが あれは錯覚でしかなかった。
もっとも
当り前の様に思えていて 余り
自分がそう思っている事さえ
忘れてしまっていた 妻の事も
やはり 自分の物などでは無い。
何故なら
私と 同じ様に 私以外の人を
好きになる事だって 出来るし離婚もできる。
それに
私 以上に 妻を 幸福に出来る人間は
世の中に沢山居る。
例えば 私が死んで
彼女が再婚して
私との結婚など以上に
幸福になれる可能性は 沢山有る。
それに
私との 結婚生活を思い出として
1人で生きて行ったとして
果して幸福だろうか・・・?
今までは むしろ そうして欲しいと
願っていたが・・・。
それは
私が死んでも
私の物を無くしたくないと言う
私の エゴからの 願いでしかなかった。
そして
今日までの生活の中で
自分は 妻を食べさせているのだから
自分が死んだら
妻の生活が困ると
それを 私自身が生きている
存在理由にしていたが
それは
事実では無かった
勿論 何年かの間は 大変だろう。
だが
妻は 自分自身の力で
今迄 やったことの無い事を
やりとげる事のできる自分を
発見できる可能性だって有る。
むしろ
一時的に彼女を悲しませる事に
成るかも知れないが
私の死は 彼女の成長を
進めるものとなる。
私の 今まで生きていた意味は
いつも 妻の成長を止める事でしかなかった。
それは 目先の 上辺の
愛でしかなかった。
私は 今まで生きて来て
妻や 私の係わる全ての人々に
トラブルしか 与えてはいなかった。
むしろ 今までの私は 居ない方が
トラブルは消え
周囲のものは ずっと楽になる事を知った。
私の生は その程度の ものでしかなかった 」
彼の発見した事は 事実だ。
本来
すべての人間の生には
なんの意味や
なんの理由もない。
たまたま あなたは 生まれて来てしまった。
あなたが 生まれて来なければ
いけなかった理由や意味など
何ひとつ無い。
私は 無意味で
何も無いと 言っているんであって
あなたが生まれてこない方が
良かったと言っているんじゃない。
どっちでも無いと 言っている。
それを とても聞こえにくく感じているのなら
それは あなたが「自分は居た方がいいんだ」と
思っているからだ。
今 ここに
こうして生きている
私も あなたも 全ての人が
ここに
こうしている為の
存在理由を
私も あなたも
自分自身の内側には
持っていない。
それにも かかわらず
「こうしなければいけない」とか
「こうする為に 生まれて来た」と言った
一斉の理由は 全部
あなたが
勝手につけた 理屈であって
真実じゃない。
彼も
そして全ての人も
自分の 存在理由なしで 生きるのが
心細く 不安な為に
色々な意味づけ
理由づけをする・・・。
だが
そうして生きていたから
今迄の 彼は 居ない方が良かった。
それは トラブルを
撒き散らしてしか 生きていない。
そして
その事実を見た時に
初めて 生きている理由や
意味づけを 持たずに生きる事ができる
ここで
初めて
居てもいいし 居なくても良い
どちらでも 良い質の人になれる
世の中に
生きていた方が 良い人など
1人も居ない。
良くて どちらでもない人に
成れるだけだ。
にもかかわらず
「俺はいた方が良い」と 思っている人は
トラブルしか 巻き起こせない。
そうしている以上
あなたは 居ない方が
トラブルは起こらない。
あなたが 自分の事を
「自分は 生きていた方が 良いんだ」
と思っていると・・・。
事実は 調度 その逆で
「あなたは 世の中に 居ない方が
良い人間に成っている」と
言った事実を伝えたい。
だが
これ程
認めがたい問題は 他に無い。
あなたも
自分が 世の中から
居なくなった方がいい。
或いは
自分が生きていなければ
いけないといった
明確な存在理由は 無いなんてことは
認めたくもないだろう・・・。
彼も そうだった。
何故なら
もしも
そんな物を認めてしまったら
今までの 自分が 崩れてしまう。
今日まで やってきた
すべての事が
水の泡に 成ってしまうからだ。
遥か 遠い昔
あなたの 小さい頃から 生きてきた
生き方全体が 崩れてしまう。
それでも 彼は
この自分自身が 崩れてしまうと言う
恐怖の中に入っていった。
そして彼は
その恐怖を
乗り起えてしまった。
まず彼は
自分が今まで
「俺は」とか
「私は」とか
「自分は」とかで 指していたのは
一体 どこを指して そう言ったり
思ったりしていたのかを 見た。
彼は
彼自身の体を指して
そう言っていた訳では無い。
今 やっている事を
指してでも無い。
それでは 一体 何だったのかと
更に深く
覗き込んで見た時に
気づいた事は
生まれてから
今日までの
自分のして来た 一切の
経験を指して
「自分」や「俺」や「私」と言っていた。
そして それらを 自分であると
思い込んで生きてきていた。
その「自分」と
思い込んでいる
生まれてから 今日までの全てを
無くしたくなかった。
それが 無くなってしまったら
自分までもが 無くなってしまうと
言うところから
恐怖感が 生まれていた。
だが
その恐怖感は
彼が 勝手に作り出していたものだ。
何故なら
彼が「俺」とか
「私」とかで 指していた
生まれてから 今日までの全ての
歩み全体は もう過去だ。
過去と言うものは
もう終ってしまって
消えて無い。
二度と 戻ってなど来ないものだ
その無いものを
無くしたくないと 思い込んでいた。
もう無いものなど
どうして
無くす事など出来るだろう?
それは
不可能だ。
もしも
それが「まだある」などと
言いたい人は
良く聞いてほしい。
それは あなたの思い込みがあるだけだ。
それは あなたの記憶が残っているだけだ。
記憶は 現実じゃない。
もしも
それを あなたと 思っているとしたら
あなたは
一生 過去の中に 生きる。
あなたは
一生涯 過ぎ去った
記憶の中に生き続ける事になってしまう。
それでは
今日は この辺で終わりにしたいと思います。
明日の人間物語のメール講座を どうぞお楽しみに