浄心庵・長尾弘先生「明来闇去」

 ~ 誰れもが幸せになれる御教え ~

明来闇去

2021-02-28 00:34:07 | 明来闇去

          恩師のご著書「真理を求める愚か者の独り言」より

            第六章 人類滅亡を救う奇跡と癒しの秘密

            心の教えを正しく行うと証がついて回る


救霊法

古いお話ですが、ここで日露戦争があった頃にまで遡りますが、
青森県の八甲田山で、
ロシアを仮想敵国とした雪中行軍の訓練がありました。
その時に、雪の中で遭難し、二百数十名もの尊い命が失われました。
これは有名な話しで、映画化されたほどです。

二百数十名が遭難して以来、その山に泊まった人は、
雪の中を歩くザクザクという足音を耳にするようになったのです。
その場所で事故も多く起きてきました。
これはもちろん浮かばれない兵隊さんたちの霊が現わす現象です。

ご縁によりその場に行き、次のようにその方々に呼びかけました。
「あなたがたは、時代の犠牲者としてこの雪の中で亡くなられました。
本来、死というものが訪れたらこの世から思いを放して、
素晴らしい光の世界へ帰らなくてはなりません」と。
そして、帰る方法をお伝えして救われていただきました。
その方法は、「救霊」といっています。
敢えて「除霊」とか「浄霊」と呼ばないのには理由があります。
それは、悪霊退治のイメージとは正反対なものなのです。

「悪霊よ、退散しろ!」とか「浄まれっ!とか「おのれ、迷うたかっ。夜叉と
化したおまえにはこれ以上災いをさせまじ」などと力づくでやってしまうと、
行者が九字でも切って験力を使って、
いかにも汚らわしく低級な不成仏霊を最大の憎しみをこめて
追っ払うみたいになってしまいます。
むしろこっちのほうが残忍かつ無慈悲な感じで、心が寒くなってしまうと印象があります。
サタンと言えども神の子であるという言葉があります。
本当の神様はそんなことをされるでしょうか。
神の御心は、私心なし、自我なし、対立なし、つまり、すべては宇宙そのものと、
また光そのものと大調和するものです。

もとはみんな神の子であるという前提のもとに、たとえ今は悪と現れていようが、
迷える霊と現れていようが、必ず消え去る、
必ずよくなると信じることが救済の第一歩です。
かれらの意識が陥っている誤解や思い違い、仏教なら迷いとか無明とか
転倒妄想と呼ぶ状態から、一心に真実を説いてさしあげることにより、
その魂を救出させていただくのです。
愛の光と言霊の響きをもって、どんな魂の方も分け隔てなしに、
心の苦しみの世界からお救いするのが愛ある方法です。
万霊済度の法だと思います。

ですから、八甲田山に行ったこの時も、雪中行軍中に遭難して亡くなりながら、
今もさまよう兵隊さんたちに、
自分の死の自覚、死に至った理由としての時代の
犠牲ということをお話させてもらい、
それから個人の反省を勧めました。

そして、「あなたがたは神の光をいただいて救われなければいけません、
あの光の世界へお送りしましょう」と、経文を唱えてお聞かせしたのです。
その結果、救われてくれました。
その証拠は何かと言いますと、もう足音が響かなくなったということです。
又、事故もなくなりました。
昭和六十三年頃のことだったと記憶しています。