夜な夜なシネマ

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『フィッシュマンの涙』

2017年01月19日 | 映画(は行)
『フィッシュマンの涙』(英題:Collective Invention)
監督:クォン・オグァン
出演:イ・グァンス,イ・チョニ,パク・ボヨン,チャン・グァン,イ・ビョンジュン,キム・ヒウォン他

シネ・リーブル梅田で3本ハシゴの3本目。
『ミス・シェパードをお手本に』『エヴォリューション』の次に。
これが2016年最後に劇場で観た作品となりました。

老けメイクが苦手なのはずいぶん前からわかっていたことですが、
どうやら私は「なんたら人間」のメイクも苦手なようです。
『Mr.タスク』(2014)ではセイウチ人間、
『テラフォーマーズ』(2016)ではゴ○ブリ人間を見て涙目に。

本作は魚人間の話だというので、観る気はありませんでした。
ところがなんだか巷の評価が高い。
イ・チャンドン監督が製作総指揮を務めているということもあり、
ホンマに?魚人間やで?と訝りつつも好奇心が勝りました。

結果として、『Mr.タスク』よりは100倍くらい良かったけれど、
私はやっぱりこの手の作品は避けるのが得策みたい。(^^;

フリーターの青年パクは、新薬の治験バイトで副作用を発症。
顔が魚と化し、上半身の皮膚も徐々に魚に近づいてゆく。
製薬会社はその事実をひた隠しにして監禁していたが、
ある日、パクはそこから脱出、想いを寄せるジンに助けを求める。

かつてジンは酔った勢いでパクと一度だけ寝たことがあったが、
パクのことなど別になんとも思っていない。
逃亡者がいると製薬会社に電話をかけ、情報提供料まで取ろうとする。
こうしてパクは再び製薬会社に捕らえられる。

やがてジンはマスコミにたれ込む。「私の恋人は魚男だ」と。
イカレた女だと誰も取り合わなかったが、
テレビ局の見習記者サンウォンがジンのもとへ取材に訪れる。
ふたりで製薬会社に侵入してみると、本当に魚男がいて……。

なんたら人間にはもう釣られるものかとは思いましたが、
私の好きな「切なさ」も満載ではあるのです。

この恋に脈がないことなど、魚男になる前からわかっていたのに、
それでも想いを断ち切ることができないパク。
職にあぶれて高額報酬の治験バイトに手を出したけれど、
自分はただただ「普通」でいたかった。そんな彼が選ぶ答え。

サンウォン役のイ・チョニが知的でいいな~と思ったら、
大好きだった『犬どろぼう完全計画』(2014)に出演していた人。
が、ちっとも役柄を思い出せず、たいして出番はなかったのかしらん。

思い返してみると良作な気もします。
前述の『エヴォリューション』だって、この魚男よりは美しいけれど、
きっと人間じゃなくて、宇宙人か人魚かというところ。
それよりは堂々の魚人間のほうがいいかもしれません。

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