夜な夜なシネマ

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『ダラス・バイヤーズクラブ』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の9本目@なんば)

2014年03月22日 | 映画(た行)
『ダラス・バイヤーズクラブ』(原題:Dallas Buyers Club)
監督:ジャン=マルク・ヴァレ
出演:マシュー・マコノヒー,ジャレッド・レトー,ジェニファー・ガーナー,
   デニス・オヘア,スティーヴ・ザーン,グリフィン・ダン他

土曜日の午前中、友人と京橋で会った後、
別の友人が出品する写真展へ行こうと十三のギャラリーへ、
それからなんばへ向かう予定でした。

ところが、十三のギャラリーへ寄ったら、げげっ、閉まっている。13時からやん。
12時オープンだとばかり思っていて、確認を怠りました。
友人よ、13時までは待てず、写真を見ずになんばへ向かった私を許してください。

で、不義理をしてなんばへ到着したにもかかわらず、
この日のハシゴ1本目に観るつもりだった作品のチケットはすでに完売。
駐車場代が若干安めの堺筋、日本橋駅近くに駐車して歩いて来ていたため、
いまさら駐車場に戻って出庫して十三へは行く気力なし。
ふたたび、友人よ、ごめんなさい。

15:50からの本作上映開始までの間、スタバで今さらの“半沢直樹”を読む。
やっぱり池井戸潤は『空飛ぶタイヤ』と『下町ロケット』だよなぁなどと思いながら。
ちょっと長居になるので、100円の2杯目とケーキも注文。

本作はTOHOシネマズなんばの別館にて上映。
敷島シネポップだった頃は行ったことがなく、
TOHOシネマズなんば別館に変わってから初めて行ったときは、
パチンコ店に挟まれた雑然とした雰囲気にビビりもしましたが、
いまは千日前のこの雰囲気が楽しい。

マッチョなマシュー・マコノヒーが本作のために20kg近くも減量し、
現在も体調不良が改善されずにいると噂になっています。
そこまでした役作りも評価されて第86回アカデミー賞主演男優賞を受賞しましたが、
体重を落としたゆえだけではない、凄い作品でした。

1985年、テキサス州のダラス。
酒と女に明け暮れるロデオ・カウボーイのロンは、ぶっ倒れて運び込まれた病院で、
HIV陽性、生きているのも不思議なくらい、余命はたった30日と宣告される。

エイズはホモがかかるもの、そう思い込んでいたロンには、医者の言うことが到底信じられない。
暴言を吐いて病院を飛び出すが、気になって図書館にこもり、いろいろ調べてみる。
決して同性愛者だけがかかる病気ではないのだ。自分の症状はまさに当てはまる。

治療についても調べるうち、アメリカでは認可されている治療薬が少ないことを知る。
有効でありながらもアメリカでは未承認の薬を求めてメキシコへ。
そして、トランスジェンダーのエイズ患者レイヨンの協力を得ると、
会費を払えば薬は無料という“ダラス・バイヤーズクラブ”を立ち上げるのだが……。

1992年にダラスの地方新聞で取り上げられたロンの実話が基。
薬が認可されない背景には、製薬会社と病院の関係が大きく作用し、
もっといい治療薬があると思っている医師がいたとしても、
病院という組織の中では発言できない状況があります。

『患者に学んだ成人型アトピー治療―脱ステロイド・脱保湿療法』の中でも、
ステロイドを否定すると病院はやっていけなくなるという一文がありました。
良心を持つ医師にだって生活があるのですから、
製薬会社と癒着していると責めることはできませんが、
そんななか、ジェニファー・ガーナー演じる女医の姿には拍手。

同性愛者を嘲笑っていたロン。
自らがエイズにかかり、ほかの患者とつきあううちに、偏見が消え去ってゆきます。
宣告された日を越えたと言っても、遠くない日に死ぬことはわかっている彼が、
自分も仲間も今日死なないように生きる。

マシュー・マコノヒーの主演男優賞に大納得の作品。
だけど、もとの肉体派の彼がまた見たいよぉ。

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