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『MERU/メルー』

2017年01月20日 | 映画(ま行)
『MERU/メルー』(原題:Meru)
監督:ジミー・チン,エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ

新年最初の劇場鑑賞は、三が日が明けた1月4日。
前日まで連日飲み倒していたので、
8:30上映開始の本作に間に合うようには起きられないと思っていましたが、
年を取ると生き急いでいるのか(笑)、いつもと同じ早朝に目が覚める。

駅まで徒歩で行き来するのはさすがに辛く、車で梅田へ。
愛用していたタイムズCHASKA茶屋町が閉鎖されてしまい、
それ以外の梅田中心部は駐車料金がベラボウに高いから、中崎町のタイムズへ。
どっちみちこの日は2本目をテアトル梅田で観る予定で、中崎町から近い。
とりあえず1本目の本作を観に、大阪ステーションシティシネマへテクテクと。

ヒマラヤ山脈のメルー中央峰にある、垂直に切り立つ岩壁。
一見サメのヒレを思わせることから“シャークスフィン”と呼ばれています。
この岩壁を直上するダイレクトルートの攻略は、世界中の登山家の憧れ。
しかし2011年まで誰一人として成功した者はいませんでした。

本作は、初めて登頂に成功した3人の登山家、
コンラッド・アンカー、ジミー・チン、レナン・オズタークの挑戦を収めたドキュメンタリー。
カメラマンでもあるジミーとレナンが自ら撮影を担当。
ジミーと彼の妻が監督を務めています。

3人は2008年にもシャークスフィン攻略に臨みましたが、
頂まであと数百メートルというところで断念。
2011年9月に再挑戦を決意するも、その年に入ってからレナンが事故に遭います。
別の仕事中に雪山で吹っ飛び、頭蓋骨が見えるほどの負傷。
脳の半分には血が回らない状態になり、
こうなれば9割の人が生涯歩くことすらできなくなるそうです。
が、シャークスフィンに再挑戦したいという一心で過酷なリハビリに耐え、
5カ月後に3人そろってシャークスフィンへ。

素晴らしいです。
『エヴェレスト 神々の山嶺』(2016)とはエライ違い。(^^;
山と向き合う彼らの態度、心持ち。
家族への思い、その家族たちからの理解。
エベレストがもてはやされるけれど、こんな山があるとは。

監督のジミーがプロのカメラマンというだけあって、映像がものすごく綺麗。
星が降り注ぐ山嶺を見たときは、感極まって泣きそうに。
登山家がどこかに初登頂するとき、誰が最初にと揉める話はよく聞きますが、
本作にそんな諍いは無縁。3人全員、素晴らしい。

今年最初に本作を観られたことに感謝。

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