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『遥かな時代の階段を』【4Kデジタルリマスター版】

2023年08月28日 | 映画(は行)
『遥かな時代の階段を』
監督:林海象
出演:永瀬正敏,南原清隆,佐野史郎,杉本哲太,大嶺美香,塚本晋也,松田圭司,
   麿赤兒,梶原善,宍戸錠,岡田英次,鰐淵晴子,白川和子、坂本スミ子他
 
109シネマズ箕面にて。
 
林海象監督による“私立探偵 濱マイク”シリーズ3部作が製作されたのは、1993年から1996年のことでした。
その4Kデジタルリマスター版が先日来公開されているのですが、第1作『我が人生最悪の時』はスルーしました。
観るものがないとぼやくぐらいならスルーすべきではなかったと後悔しています。
 
そして今、やっぱり観るものがなくなって、第2作は飛ばさずに観ることにしたのですけれど、
この作品も、後にTVドラマ化された作品も、1本も観たことがありません。
永瀬正敏の代表作だというのに、ずっとスルーしていてごめんなさい。果たして話について行けるのでしょうか。
 
原作はアメリカ人小説家ミッキー・スピレインのハードボイルド探偵小説“マイク・ハマー”シリーズ。
「濱マイク」とは上手く名づけたもので。
私立探偵の濱マイクは、横浜の黄金町に実在した映画館「横浜日劇」の2階に事務所を構え、
妹とふたりで暮らしているという設定なのだそうです。
横浜日劇といえば、1953年に開館した地元密着型の映画館ですが、2005年に閉館してしまいました。
解体作業も進み、現在跡地にはライオンズマンションが建っているとか。
 
濱マイク(永瀬正敏)は、まだ幼かった頃に自分と妹の茜(大嶺美香)を捨てた母親リリー(鰐淵晴子)が、
ストリップ小屋“黄金劇場”のステージに上がっていることを友人たちから知らされる。
茜には母親は死んだと話していたマイクは、余計なことをしないようにとリリーに釘を刺す。
 
一方、伊勢佐木署の刑事・中山(麿赤兒)は、川の利権のことでやきもきしていた。
戦後の闇市の時代からずっと、なぜか川の利権は“白い男”(岡田英次)に握られており、
警察もヤクザも暗黙の了解のうち、“白い男”には手出しをせずに来ている。
“白い男”が川沿いのスナック“幸子”のママ(白川和子)に仕事をさせていることを知った中山は、
その証拠を掴むよう、半ば脅し気味にマイクに依頼するのだが……。
 
永瀬正敏が若くてカッコイイ。ほかのキャストも今なお活躍中の人が多く、楽しい。
佐野史郎演じるヤクザの組長が選挙に出るというのには笑ってしまう。しかも当選ってか(笑)。
組長がアカンと言っているのに“白い男”に手を出す組員に塚本晋也と松田圭司。
“白い男”の側近役は杉本哲太。マイクの頼りになる友人に南原清隆梶原善、宍戸錠など。
宍戸錠と岡田英次は残念ながらもうこの世にはいませんけどねぇ。
 
マイクを“白い男”のところへ案内するのは坂本スミ子演じる実在の老娼婦メリーさん。
『ヨコハマメリー』(2005)を観たときは衝撃を受けましたから、
それに比べると本作のメリーさんはずいぶん綺麗で普通です。
 
ところどころ、林海象っぽい。“白い男”のアジトへの道中などはまさにそう。
面白かったので、第3作も劇場で観たいと思っています。第1作も観ればよかったなぁ。
TVドラマシリーズは配信で観られるようですが、劇場版も観られないのかな。
 
エンドロールで助監督の欄に行定勲監督の名前を見つけて、おおっ!
『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004)の大ヒット以降、押しも押されもせぬメジャー級監督だけど、
この前日に観たばかりの『リボルバー・リリー』がヒドすぎて。(^^;

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