夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ゴールデンスランバー』

2010年08月09日 | 映画(か行)
『ゴールデンスランバー』
監督:中村義洋
出演:堺雅人,竹内結子,吉岡秀隆,劇団ひとり,柄本明,濱田岳,
   渋川清彦,ベンガル,貫地谷しほり,伊東四朗,香川照之他

風邪からまだ完全復調できず。
別のレンタル作品を観始めたら睡魔に襲われてしまいました。
体調のせいかと思ったら、本作は139分、あっという間。

アマノジャクな私が、大人気作家だからと敬遠していた伊坂幸太郎。
映画化された作品はすべて観たけれど、原作には手をつけず。
それが今年に入ってなんとなく読み始めたらツボに。
今や、伊坂幸太郎を制覇してしまうのが寂しい気がして、
間にほかの作家を挟んで制覇を先送りにしている状態です。

発行年順に制覇中で、本作は未読ですが、
原作を読んでいるときに映画とダブらせていたこれまでとは逆に、
映画を観ながら原作のページを思い浮かべる楽しみ。これも至福。

仙台の運送会社に勤める宅配ドライバー、青柳は、
金田首相の凱旋パレードがおこなわれるその日、
大学時代の同級生である森田から釣りに誘われる。

ところが、待ち合わせ場所に現れた森田は、
釣りに行くとは思えない背広姿で、
背中越しにパレードが見える路地に駐めた車へと乗り込む。

車内で森田に勧められた水を飲んだ青柳は眠気に襲われ、
目が覚めると、後方で首相の乗った車が爆発。
森田は、青柳が首相暗殺犯の濡れ衣を着せられること、
借金苦からその計画に加担したことを明かし、
「逃げろ、そして生きろ」と言い残して死ぬ。

あまりにも早く駆けつける警察官。
事情が呑み込めぬまま、青柳は逃げるのだが……。

私は中村義洋監督に大甘の評価しかできなくなっていることを認めます。
中村監督の作品についてはこちらをご参照ください。
本作ももうほんとに楽しくて。

人を信じることが最大の武器だから。
そうつぶやく青柳を助けようとする人たち。
みんな、器が大きく、遊び心もあって、人情に厚い。

原作のページが目に浮かぶような、メモ用紙の会話、
「俺は犯人じゃない」「だと思った」。
青柳の父親の「ちゃっちゃと逃げろ」。
「痴漢は死ね」の書き初め。「たいへんよくできました」の花マル。
クスッと笑えて、涙腺を優しく刺激する場面にヤラれました。

伊坂幸太郎の、人によっては通り過ぎてしまうであろう言葉がとても好きです。
それをさらっと映像にする中村義洋監督が好きです。

ロックだな。

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