夜な夜なシネマ

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『チャーリー』

2024年07月15日 | 映画(た行)
『チャーリー』(原題:777 Charlie)
監督:キランラージ・K
出演:ラクシット・シェッティ,サンギータ・シュリンゲーリ,ボビー・シンハー他
 
5年ほど前、映画は娯楽大作しかほぼ興味のない姉さんをインド映画に誘ったら、
「インド映画は無し!」と言われ、それでも無理強いして一緒に行った結果、姉さんボロ泣き。
インド映画に対する姉さんの認識を覆したのが『バジュランギおじさんと、小さな迷子』(2015)でした。
で、その後は配信でご覧になった『きっと、うまくいく』(2009)も大のお気に入りになり、
すっかりボリウッドの食わず嫌いは払拭されたようで、『RRR』(2022)も一緒に観に行きました。
 
そんな姉さんが本作の公開を私より先に知り、「ハンカチ必須のインド映画が公開されるらしいで」。
ほな行きましょかと、塚口サンサン劇場で観ることに。
 
インドでは同語の作品を「サンダルウッド」と呼ぶそうです。
インド映画は、ヒンディー語テルグ語タミル語マラヤーラム語に次ぐ興行規模を誇るのだそうな。
主演のラクシット・シェッティはカンナダ語映画界のスーパースターとのことで、プロデュースも務めています。
ま、インド人俳優の多くがそうであるように、結構暑苦しい顔をしてはります。(^^;
 
インド南部、カルナータカ州のマイスールにひとりで暮らす男性ダルマ。
少年時代に事故で家族を失った過去が影響して、人づきあいを徹底して避けている。
酒とタバコとチャールズ・チャップリンの映画を観ることだけが楽しみで、
近所の住民からも職場の同僚たちからも偏屈だと言われても一向に気にしない。
 
ある日、ダルマの家の前の通りに迷い込んできたラブラドールレトリーバーの子犬が轢かれる。
どうせ保健所が引き取りに来ると言って住民たちは放置しておこうとするが、
厄介事には関わりたくないはずのダルマがなんとなくその犬を放っておけず、介抱して病院へと連れて行く。
 
無事に診察が終わり、獣医のクマールにこの犬は自分の犬ではないことを伝えるが、
クマールは引き取り手を見つけるまで預かるようにダルマに言う。
仕方なく犬を連れ帰ったところ、とんでもなくやんちゃな犬で、ダルマはイライラ。
 
名前すら付けることなく犬の面倒を見続けていると、
動物愛護団体の女性デヴィカから目を付けられ、虐待を疑われてしまう。
やっとチャップリンから取って“チャーリー”と名付け、
やがてチャーリーなしの生活は考えられないようになり……。
 
原題の“777 Charlie”の「777」は、タグにあったドッグライセンス(犬の登録番号)の数字。
 
悪徳ブリーダーは売れる犬を手に入れるために近親交配を繰り返す。
それは犬の遺伝子に悪い形で出るらしく、チャーリーは血管肉腫を発症します。
 
ネタバレになりますが、そのチャーリーがテレビの前ではしゃぐ姿を見て、雪に惹かれているのだと気づく。
チャーリーが生きている間になんとか雪を見せてやりたいと、
ダルマはチャーリーをサイドカーに乗せて、雪を求めて出発するのです。
 
そりゃもう泣くに決まっている(笑)。
偏屈なダルマには誰も近づいてきませんが、向かいの家に住む少女アドリカだけは別。
チャーリーのことが好きでたまらず、一緒に留守番もします。
チャーリーに「ありがとう」を教えてダルマの前でそれを見せるように言うけれど、チャーリーはしない。
こんなの、最期に「ありがとう」をするのが見え見えじゃないですか。でも泣く。
 
『バジュランギおじさん』と比較すると、泣き度は低い。あっちのほうがボロ泣きでした。
でも、犬好きの人にはたまらんのじゃないですかね。
通路を挟んで私の隣に座っていた人は、「ずびー、ずばー」と終盤泣き通しでした(笑)。
 
踊りは無し、歌は多め。
164分の長尺ですが、インド作品って不思議、ちっとも長く感じない。
やっぱり大好きです、ボリウッド。

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