『スノー・ロワイヤル』(原題:Cold Pursuit)
監督:ハンス・ペテル・モランド
出演:リーアム・ニーソン,ローラ・ダーン,トム・ベイトマン,トム・ジャクソン,
エミー・ロッサム,ドメニク・ランバルドッツィ,ジュリア・ジョーンズ他
毎日終業後に映画を2本観ていたら、帰宅してお酒を飲む気力なし。
しかしダンナの出張中にはいつも思うのは、
毎晩終業後23時すぎまで映画を観るのと、直帰してお酒を飲むのと、
体にとってはどちらがマシなのだろうかということです。
映画も観ないお酒も飲まないというのは選択肢にないですからね。(^o^)
ノルウェー作品のリメイクだということはこれを書きはじめるまで知りませんでした。
オリジナルは『ファイティング・ダディ 怒りの除雪車』(2014)。
えらくB級っぽい邦題でちょっと笑ってしまいます。
ノルウェー出身のハンス・ペテル・モランド監督が自らハリウッドリメイク。
アメリカ人ではない監督が本国で撮ってハリウッドでリメイクというと、
ジョルジュ・シュルイツァー監督の『ザ・バニシング 消失』(1988)と『失踪』(1993)とか。
いずれも面白い作品でした。
本作も俄然オリジナルが観たくなる面白さ。
州都デンバーから少しばかり車を走らせたところに位置する雪深い町キーホー。
妻子とともに暮らす除雪作業員ネルズは、模範市民賞を授与されるぐらい真面目な男。
遺体確認に警察を訪れたネルズは、息子は麻薬をやらないと主張するが、
「親は誰でもそう言う」と警察官も検死官も取り合わない。
麻薬の取引に息子は何の関係もなかったのに、
息子の同僚ダンテのせいで巻き込まれたことを知ったネルズは復讐を決め、
まずはダンテの雇い主、さらにその雇い主というふうに、ひとりずつ突き止めては殺害。
しかし彼らは地元の麻薬王バイキングの部下。
自分の部下がひとりずつ失踪していることに気づいたバイキングは、
敵対するネイティブアメリカンの組織の仕業だと思い込み……。
リーアム・ニーソンが老体に鞭打って活躍するシリアスなアクションかと思ったら、
ブラックユーモアてんこ盛り。結構笑いました。
模範的市民であったはずのネルズが躊躇せずに殺人を犯す時点でもう可笑しい。
ネルズが除雪作業車でターゲットを追いかけるシーンはまるで『激突!』(1971)。
死体を金網でくるんで滝に放り込めば魚が食べてくれるなんてこと、
本で知っただけの善人があんなに手際よくできるでしょうか。まるでシリアルキラー(笑)。
いろんな勘違いが起きて殺し合いになるなか、
その勘違いを否定することなく弟を助ける兄が格好良くてシビれました。
見た目は単なるデブのオッサンなんですけどね。
バイキング役のトム・ベイトマン、これはハマリ役。
異動してきたばかりの女性警官役エミー・ロッサムも○。
バイキングのまだ幼い息子が暴力嫌いで賢い。救われます。
こんなアクション作品だけど、先住民の居留地問題も。
洒落ていたのはエンドロール。
キャストは“in order of appearance”と紹介されたりするものですが、
本作では“in order of disappearance”。
キャストの名前が一斉に現れて、いなくなった順に名前が消えていきます。
上映終了間際に焦って観に行ってよかったです。面白かった!