夜な夜なシネマ

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『エスコバル/楽園の掟』

2016年03月27日 | 映画(あ行)
『エスコバル/楽園の掟』(原題:Escobar: Paradise Lost)
監督:アンドレア・ディ・ステファノ
出演:ベニチオ・デル・トロ,ジョシュ・ハッチャーソン,クラウディア・トライサック,
   ブラディ・コーベット,カルロス・バルデム,アナ・ジラルド他

TOHOシネマズ梅田本館→別館アネックス→本館と、3本鑑賞。
ここまでは事前にネット予約していましたが、
もしもこの3本で疲れ果てて、もう無理だと思ったら帰るつもりでした。
が、なんとなくまだ大丈夫そう。眠くもないし、腰も痛くないし。
で、テアトル梅田へと向かいました。この日の4本目が本作。

フランス/スペイン/ベルギー/パナマ作品。
監督のアンドレア・ディ・ステファノはイタリア出身。
『夜になるまえに』(2000)や『NINE』(2009)に役者として出演していて、これが初の監督作。
ちらりと写真を見たところ、アントニオ・バンデラスをちょっと薄くしたような男前です。

カナダ人のニックは、兄のディラン一家とともにコロンビアを訪れる。
波をこよなく愛する兄弟で、所有者のいないビーチに家を建てて暮らすつもり。
ニックはサーフィンを満喫、穏やかな日々が続くはずだったが、
ある日、地元のゴロツキが現れて、ショバ代を寄越せと言う。
無視していれば大丈夫だと思うものの、なんとなく不安に。

そんな折り、ニックは現地の美女マリアと出会う。
彼女の叔父パブロ・エスコバルは国会議員を務める大富豪。
慈善活動にも熱心で、マリアはそれを手伝っている。
しかしパブロにはコロンビア最大の麻薬カルテルを仕切るボスという裏の顔があり、
賛成はできないニックがマリアにそのことをにおわすと、
貧困層を助けているだけ、悪いことはしていないとマリアは言いつのる。

ニックとマリアは婚約、マリアは敬愛するパブロにニックを紹介。
ニックが何気なく地元のゴロツキに脅された話をパブロにすると、
それから数日後、ゴロツキたちが拷問のうえ殺されたという噂を聞く。
パブロの冷酷非情な面を知り、ニックの頭の中で警鐘が鳴る。
マリアにもようやくそれが伝わり、ニックとマリア、ディラン一家は
この国から脱出しようとするのだが……。

パブロ・エスコバルは実在の人物。
コロンビア最大の麻薬密売組織“メデジン・カルテル”を創設した麻薬王。
名門サッカークラブの元オーナーでもあったというのですから、
コロンビア、あなおそろし。
おまわりさんもみ~んなパブロの手下、手を回すなんていとも簡単なこと。
気にくわないやつは速攻でズドン。衝撃的です。

正義がまったく通用しない国。こういう人物が今も英雄と崇められる国。
いろんな国のあり方があるでしょうが、日本に生まれてよかったと切に思うのでした。
ニック役のジョシュ・ハッチャーソンが適役だったかどうかは疑問だけど、
パブロ役のベニチオ・デル・トロ、ぴったんこ。非常に面白かったです。

ひとつ、残念だったのは、日本語字幕。
「車を貸りたい」などという誤字になぜなるのか。
普通に「かりたい」を変換すればこんな字になるはずもないのに、
字幕の変換って一字ずつ打ち込むのかしらん。素朴な疑問。

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