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『フリーソロ』

2019年09月18日 | 映画(は行)
『フリーソロ』(原題:Free Solo)
監督:エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ,ジミー・チン
 
シネ・リーブル梅田にて、前述の『ヒンディー・ミディアム』とハシゴ。
 
私はどうやら海より山が好きなようなのです。
映画もそうで、海でどうとかいうよりも山でどうとかいうほうが好き。
海ならば、サメが出てきて襲われそうになるとかなら良い(笑)。
でも、山のシチュエーションスリラーのほうがもっと好きです。
 
ドキュメンタリーも断然、山の話がいい。
『MERU/メルー』(2015)で自ら撮影を担当した男前クライマー、
ジミー・チンが今回は監督に徹しています。
 
クライミングをする人ならばご存じなのでしょうが、
“フリーソロ”という言葉自体、私は初耳。
断崖絶壁を一切の安全装置を使用することなく、素手で登る。
命綱も何も装着せずに何百メートルも登るなんて、信じられん。
 
そのフリーソロで数々の壁を攻略してきたアレックス・オノルド。
彼の夢は、カリフォルニア州のヨセミテ国立公園にそびえるクライマーの聖地、
エル・キャピタンをフリーソロで制覇すること。
 
エル・キャピタンは975メートル。
荷物は滑り止め用のチョークの粉を入れている小さなウエストポーチのみ。
いったいどうなっているんだ、この人と唖然とします。
 
面白かったのはMRIで脳を調べてもらったときのこと。
アレックスの脳はちゃんと機能しているんですが、
よほどの強い刺激がなければ活動しない部分があるそうな。
だから、こんな危険なことにも平常心で臨めるのですね。
 
とはいうものの、カメラが回っていると緊張する。
それゆえすべての準備が整っているのに、途中でやめてしまうことも。
撮影クルーには悪いと思いつつ、気分が乗らない。
ほんの少しでも誤れば命を落とすわけですから、それも致し方のないこと。
 
撮影クルーはジミーを含め全員がクライマーだから、彼の気持ちがわかる。
アレックスが難所に差しかかったときはカメラを回しつつも直視できず、
成功したときにはアレックスよりも先にクルーが先に涙。
 
高所恐怖症の人は絶対観られない作品です。
そうでない人はぜひ。

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