夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『マイナス21℃』

2018年08月06日 | 映画(ま行)
『マイナス21℃』(原題:6 Below: Miracle on the Mountain)
監督:スコット・ウォー
出演:ジョシュ・ハートネット,ミラ・ソルヴィノ,セーラ・デュモント,
   ジェイソン・コットル,ヴァシ・ネドマンスキー他

実は、雪とか氷とか寒そうなところの話が好きです。
この日は極寒の中の話2連発、『ウインド・リバー』の次に、
同じくシネ・リーブル梅田にて。

シチュエーションスリラーが大好きです。これとかこれとかこれとか。
中でもバカウケしてしまったのが『フローズン』(2010)。
悲惨すぎて大笑いしたのを思い出しますが、
この『マイナス21℃』は実話だというので、笑うに笑えず。

プロのアイスホッケー選手エリックは、まだまだ活躍できるというときに自ら辞めてしまう。
その後はドラッグに手を出し、ほとんどヤク中になったうえに交通事故を起こす。
7日後に裁判を控え、気分転換にシエラネバダ山脈へスノーボードへ。
ついドラッグに手を出しそうになりながらも、必ず出廷するからと母親に約束して。

天候の急変が危ぶまれるなか、単独で滑っていたエリックは遭難する。
たいした装備なく、体温はぐんぐん下がる。
耐えがたい空腹感に襲われ、体のいたるところに凍傷を負い、
夜になれば狼が近づいてくるし、幻覚にも悩まされる。

エリックが山に登る前にかけてきた電話を取らなかった母親は、
その後いくら電話をかけようとも出ない息子を心配しはじめる。
やっと突き止めた息子の宿泊先を尋ねると、着替えが減っている様子なく、
鏡には6日後に出廷することを記した文字。
彼の身に何かあったと確信する母親は、捜索を要請する。

その頃、エリックはたびたび諦めそうになる気持ちを奮い起こし、
とにかく電波を出し続けて誰かに気づいてもらおうと頂上を目指していたのだが……。

みんな生還すると思っていたら死んでしまった実話もありますが、
これはちゃんと生還するのでご安心ください。

凄い話だとは思うのですけれど、そんなにも軽装備で1週間以上も生きられます?
いや、実話だし、あんな格好で生き延びたから余計に凄いのかしらん。

ほんまに実話か?と訝りそうになる半面、
こりゃ実話だわと思うのは、生き延びるための工夫があまりないこと。
フィクションのシチュエーションスリラーならば、
生きるためにあれこれ考えますよね。あの手この手と工夫して。
ところがこのエリックは、ひたすら耐える、歩く、それだけ。
フィクション映画のように工夫するのは普通は無理でしょうから、
これだけ工夫がないのは実話なんだなぁと思えます。

途中、神を恨んで「俺が何をやったというんだ!」と叫ぶシーンがあります。
そこは思わずツッコミを入れたくなりました。
えっ、だって、スタンドプレーを咎められたことに腹立てて辞めたやん。
で、ヤク中になって、山まで来てからもヤクやっとったやん。
ほいでから、立入禁止の立て看を無視して斜面に入ったやん。
それで「何をやったというんだ!」と言われても。やっとるがな。

それでも凄いとは思うのですけれど、最後が説教臭いのは残念。
こうして立派に人生を歩んでいるとかいうのは見ればわかること。
わざわざ言葉にされるとかなり(ものすごく)冷めちゃいます。

万が一遭難したら、雪を食べたらあかんというのは勉強になりました。はい。
久々にジョシュ・ハートネットに会えたのも嬉しかったから、まぁいいや。

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