『マルガリータで乾杯を!』(原題:Margarita, with a Straw)
監督:ショナリ・ボース
出演:カルキ・ケクラン,レーヴァティ,サヤーニー・グプター,ウィリアム・モーズリー,
フセイン・ダラール,テンジン・ダラ,クルジート・シン,マルハール・クシュー他
どうしても観逃したくない作品があるけれど、上映が日に一度のみ。
観に行けないまま数週間が経ち、きっともうじき終映。
あきらめきれずにいたところ、ダンナの帰りが遅くなること確実の日が判明。
その日に午後休を取って梅田へ。
本命のその作品は18:00からの上映だから、その前に別の2本を。
昼まで働いたあと、車で梅田スカイビル近くのコインパーキングに。
最大料金1,000円で、付近ではかなり安いほう。
ゆったりひとりランチする時間はなく、ファミマでサンドイッチを購入、
シネ・リーブル梅田のロビーにて早食い。
インド育ちのフランス人女優が圧巻の演技力を見せるインド作品。
もはや踊るだけがボリウッドではなく、時間も短めの100分。
快活な彼女は何事にもチャレンジ、大学生活を謳歌していた。
同じく車椅子に乗る幼なじみのドゥルヴとは何でも言い合える仲だが、
彼女がひそかに想いを寄せているのは同級生バンドのメンバー、ニマ。
彼女はバンドに作詞で参加、コンテストでみごと優勝に輝く。
ところが、司会者は「作詞者が障害者だと知って感動、優勝を決めた」と発言。
激しく落ち込むライラに優しい言葉をかけるニマ。
てっきりニマも自分のことを好きだと思ってコクったら、
ニマは逃げるようにその場から去ってしまう。
恥ずかしくて、もう大学にはかよえない。
そんな娘の意を汲み、ライラの母親はニューヨーク大学への編入を勧める。
こうして父親と弟をデリーに残し、ライラと母親はニューヨークへ。
デリーとはまるで異なる刺激的なニューヨーク生活。
やがて、デモに参加していた視覚障害者の女子学生ハヌムと出会い……。
本作をけなすことは許されない気がするのですが、私は苦手。
そもそも知的障害を伴わない脳性麻痺があることを知らなかったので、
こんな無知のくせして何を言うのかとお叱りを受けそう。
ごもっともです。すみません。
生々しいんです、とても。
身体障害者であっても性衝動に駆られるのは当然だと思うのですが、
かつて参加した障害児のキャンプで自慰にふける子どもがいたり、
通勤途中の駅でダウン症のカップルがねっとりと抱き合っていたり、
そういうのを見たときのなんともいえない気持ちがよみがえり、
私は本作を生理的に受け付けることができませんでした。
障害のある女性が大学生活を謳歌する、それだけの話かと思っていたら、
性衝動を抑えられずにとりあえずは幼なじみとキスしてみたり、
ニューヨークで出会った女性はレズビアンで、自らも同性愛に目覚めたり。
だけど男性への興味も消せずに、男性とも寝ちゃったり。
そういうところをいっさい描かずに済ませば綺麗事。
綺麗事に終わらせない凄い作品であることは確か。
何よりもアッパレなのは母ちゃん。
娘からバイセクシュアルだとカミングアウトされて最初は激怒するも、大きな愛で包み込みます。
母親の力はやっぱり偉大。