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『レミニセンス』

2021年10月10日 | 映画(ら行)
『レミニセンス』(原題:Reminiscence)
監督:リサ・ジョイ
出演:ヒュー・ジャックマン,レベッカ・ファーガソン,タンディ・ニュートン,
   クリフ・カーティス,ブレット・カレン,アンジェラ・サラフィアン他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
原題も邦題も“Reminiscence”。こんな単語、知らんっちゅうの。
「記憶潜入」という意味なのかと思っていたら、「回想」なのですね。
 
監督のリサ・ジョイは、人気TVドラマ“バーン・ノーティス 元スパイの逆襲”シリーズの脚本家。
また“ウエストワールド”シリーズでは企画と製作総指揮を務めています。
映画を撮るのはどうやらこれが初めてのよう。
なんと言っても気になるのは、本作の製作者にジョナサン・ノーランの名前があること。
『ダークナイト』(2008)や『インターステラー』(2014)の脚本家でもあります。
こういう兄弟の会話って、どんなふうなんでしょうね。
 
さて、そんな弟プロデュースの本作は、兄監督の作品よりもわかりやすい。
SFを理解するアタマのない凡人にもわかりやすいように作ってくれてありがたい。
ま、難しいSFでも、鑑賞時は理解できた気がしているんですけどね。
 
舞台は近未来。海面上昇が進んで、各地の都市は水に覆われています。
主人公のニックが暮らすマイアミもそうで、人々は暑さを逃れ、
自然と夜型の生活を送るようになっています。
 
ニックの仕事は、顧客が見たいと望む記憶を呼び起こして追体験させること。
顧客の誰しもが幸せな記憶に浸る時間のために金を払う。
 
ある日、自室の鍵をどこに置き忘れたか記憶を辿りたいという女性メイが現れる。
その美しさに一目惚れしたニックは、後日彼女が歌う店を訪れ、交際を開始。
深く愛し合っていたはずなのに、突然ニックの前から姿を消すメイ。
 
どうしても彼女のことが忘れられず、ニックは来る日も来る日も自分の記憶を辿り、
メイの行き先についてヒントが隠されていないかを調べる。
やがて、ギャング組織の犯罪に彼女が巻き込まれていると知り……。
 
驚いたのは、ギャング組織のボス役がダニエル・ウーだったこと。
なんだかもうすっかりたるんだオッサンになってしまって、
『美少年の恋』(1998)の頃の彼はいったい何処へと思うけど、
こうして元気で活躍しているのは嬉しい。
 
序盤のニックとメイのやりとりには結構イライラ。
ニックはメイにぞっこんで、彼女が姿を消したときも騙されていたなんて微塵も思わない。
みんなが彼女のことを悪く言うけれど、本当の彼女を知っているのは俺だけ、なんて、
男性にありがちじゃないですか(笑)。
本当の彼女はそんなじゃないし、もしそうだとしても立ち直らせることができるのは自分だけだなんて、
思い込みも甚だしいぜ。傲慢だよ。そう思いませんか。
タンディ・ニュートン演じるアシスタント女性のほうがよっぽどええのに、
もう、美人に弱いんだからっ!などと若干憤ったりもする私(笑)。
 
でね、傲慢だなんて方向には話は進みません。
やっぱり彼女のことをわかっているのは彼だけだったのだから、
男性の夢を叶えていますよねぇ。
 
と、一見文句に聞こえるかもしれませんが、わかりやすくて面白かったです。
観る人に夢は与えなきゃいけないし、映画の中だけでも夢は叶えてほしいもの。
 
『グレイテスト・ショーマン』(2017)でもイチャイチャしていました。
このような共演が多いと、ほんとにデキちゃうのではと思ったり。
レベッカの歌はどの作品のときも素晴らしいです。聴き惚れた。
 
やっぱり自分が愛した相手は善人だった。ちょっぴり切ないです。

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