夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈あ行〉

2012年12月22日 | 映画(あ行)
恒例におつきあいください。

今年、劇場で観た作品が12月21日現在で139本。
それについては、昨日観た『レ・ミゼラブル』以外はアップしました。
レンタルして観た作品は212本、そのうち30本しか書けず。
つまりは合計351本で、アップ率は全体の5割に満たないことになります。
てなわけで、毎年こうして書き漏れていた作品を50音順に書いています。

今年のベストセラー、三浦しをんの『舟を編む』にあったように、
日本語の単語は「あ行」から「さ行」までに集中しているそうで、
だから映画のタイトルもその辺りが非常に多いのですね。
そのせいで、50音順で各1作だけ選ぼうとすると、
複数書きたい作品があったり、1作も該当タイトルがなかったりします。(T_T)

あくまで書きそびれていた作品を挙げているだけなので、
好きだったとか嫌いだったとかは関係ありません。
今年封切orレンタル開始の作品ばかりです。
製作年が2010年以前の作品についてはそれを明記しています。
これらは去年もしくは今年公開され、今年DVD化された作品です。
ネタバレ御免。

《あ》
『明りを灯す人』(英題:The Light Thief)
2010年のキルギス/フランス/ドイツ/イタリア/オランダ作品。
なかなかお目にかかることのないキルギス共和国の映画。
主演も務めるアクタン・アリム・クバト監督はそのキルギス出身。
天山山脈の麓、湖のほとりの小さな村には、
村人から“明り屋さん”と呼ばれて慕われている電気工がいる。
明り屋さんは、アンテナ調整や配線修理をする一方、
電気代を払えない人たちのために電気メーターに細工をほどこすことも。
そんな明り屋さんの夢は、風車をいっぱいつくって、
村の電力をまかなえるようにすることと、息子を授かること。
しかし、この村で私腹を肥やそうとする都会の人間がやってきて……。
さまざまな文化のちがいは、のどかだというだけではやり過ごせない印象。
遊牧民の家族をささえる女性のたくましさに驚きます。

《い》
『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』(原題:Exit Through the Gift Shop)
アメリカ/イギリス作品。
誰もその素顔を知らないと言われる世界的な覆面アーティスト、バンクシーが、
自分を撮影しようとした男を逆に映画に収めたという傑作ドキュメンタリー。
LA在住のフランス人で古着店を営むティエリー・グエッタは、カメラが趣味。
一日中カメラを回し続け、何でも記録しておかないと気が済まない。
そんな彼が興味を示したのがグラフィティアート。
犯罪行為スレスレのアートをカメラに収めるが、バンクシーにだけは会えずにいる。
しかし、バンクシーに会う機会が到来して……。
ティエリーに映像作家としてのセンスなしと見たバンクシーは、
結局自分で映画を撮ることになるのですが、これが皮肉に富んでいてべらぼうに面白い。
本作を観て以来、バンクシーが気になって仕方ありません。

《う》
『ウタヒメ 彼女たちのスモーク・オン・ザ・ウォーター』
原作は五十嵐貴久の『1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター』。
高級住宅街にマイホームを手に入れるも、夫とは会話なし、
高校生の娘はひきこもりの専業主婦、美恵子。
産婦人科へ乳癌検診に行ったところ、かつての職場の後輩、かおりと再会。
かおりは美恵子のパート先のコンビニにしょっちゅう出入りするように。
やがてそのコンビニで、万引き癖のある雪見、謎のロッカー、新子とも出会い、
それぞれに悩みを抱える4人はロックバンドを結成、
高校のチャリティコンサートで演奏しようと特訓を開始するのだが……。
演奏曲はディープ・パープルの『スモーク・オン・ザ・ウォーター』。
ぶりぶり静ちゃんにすんごい化粧の真矢みきにはちと引きましたが、
イントロを聴くだけでやはり心が躍ります。
黒木瞳の可愛らしさは言うまでもないけれど、木村多江ってなんでもできますね。巧い。

《え》
『エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン』(原題:El Bulli: Cooking in Progress)
ドイツのドキュメンタリー作品。
スペインのカタルーニャ州コスタ・ブラバ、ロザスという町で、
1年のうち6カ月は料理の開発のために休業し、
45席に対して年間200万件の予約希望者がいるというレストラン。
“エルブリ”よりも“エルブジ”のほうが馴染みがあります。
私が初めて知ったのは、何でもムース状にする機械“エスプーマ”で、
ここの総料理長フェラン・アドリアが開発したとのことでした。
3時間で35種類の料理が提供され、調べてみたところ、コース3万円弱也。
非常に興味深い作品でしたが、美味しそうかと聞かれるとビミョー。
フェランは、前衛的な店には「驚き」がなければ駄目だと言い、
その料理の開発はまるで科学の実験。
今年と来年は休業するそうで、再開後はどうなるんでしょ。

《お》
『終わりなき叫び』(原題:Un Homme Qui Crie)
2010年のフランス/ベルギー/チャド作品。
世界三大映画祭の受賞作でありながら日本未公開だった作品を上映する、
「三大映画祭週間2011」にて上映されました。
55歳のアダンはかつての水泳チャンピオンで、チャド初の水泳教師。
高級ホテルでプールの監視員を務め、今も水泳が彼のすべて。
しかし、中国系の新しい支配人はアダンを門番に回し、
アダンの一人息子のアブデルをプールの監視員とする。
ちょうどその頃、内戦下のチャドでは市民の戦争参加が求められており、
戦争に金を出すか兵を出すかの選択をアダンも迫られる。
金などないアダンは、アブデルを無理やり入隊させるのだが……。
人生初のチャド映画鑑賞。92分を倍ほどの時間に感じるテンポの遅さ。
アダンの苦しみは理解したいけれど、ゴメンナサイ。

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