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『ディヴァイン・ディーバ』

2018年09月14日 | 映画(た行)
『ディヴァイン・ディーバ』(原題:Divinas Divas)
監督:レアンドラ・レアウ

シネ・リーブル梅田で5本ハシゴの4本目。

ブラジルのドキュメンタリー作品で、
ドラァグクイーン版“ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ”と言われています。

「ドラァグクイーン」という言葉はみなさんご存じかと思いますが、
簡単に言うと、女装した男性。しかもパフォーマンスを目的としているのでド派手。
私はこの言葉を『プリシラ』(1994)で知りました。
ゲイバイセクシュアルの人が圧倒的に多いそうですが、
性的志向はストレートだけれど女装が好きだという人も中にはいるようです。

1960年代の軍事政権下のブラジル
ドラァグクイーンの第一世代と呼ばれる人たちは現在70~80代。
リオデジャネイロのヒバルシアターを拠点として活躍したドラァグクイーンたちが、
50周年を記念して再集結、2014年にライブを開催しました。
本作ではその舞台のパフォーマンスとともに、
当時の映像およびドラァグクイーンたちの人生を映し出しています。

これが監督デビューとなるレアンドラ・レアルは、ナイトクラブのオーナーの孫娘。
幼少の頃、舞台袖から彼女たちを見つづけてきましたから、
波瀾に満ちた彼女たちの人生をよく理解している様子。
冷めたところが少しもなく、敬意と熱意を持って本作を撮ったのが伝わってきます。

本作では元気な顔を見せているのに、
その後お亡くなりになった方もいらっしゃって、とても残念。

20年くらい前は、ドラァグクイーンとはなんぞやと尋ねられたら、
「女装のオカマ。」とわりと簡単に答えていました。
今は「オカマ」なんて軽々しく言ったり一括りにしたりしてはいけない雰囲気があるけれど、
安易に答えていた頃と比べて彼女たちは少しでも生きやすくなっているでしょうか。
偏見が表に出にくくなっただけだとは思いたくない。
いくらかでも生きやすくなっているならば、彼女たちの偉業ゆえ。

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