夜な夜なシネマ

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『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス』

2018年08月03日 | 映画(は行)
『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス』(原題:Buena Vista Social Club: Adios)
監督:ルーシー・ウォーカー

ちょうど映画1本分ぐらいの時間がひょこっとできました。
妙な動きをする台風到来の日で、あと数時間でJRが止まることも知らずに劇場へ。
どっちみち晩ごはんをとるお店まで行けば、帰りは車です。
もちろん私はお酒を飲みますから、運転するのは下戸のダンナ。(^o^)
大阪ステーションシティシネマにて。

名ギタリストとして世界に名を馳せるライ・クーダーがキューバに旅行、
そのときに現地の年老いたミュージシャンたちとセッションをしました。
ミュージシャンたちの大半は、かつて実在した会員制音楽クラブ、
“ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ”の会員だったので、
制作したアルバムのタイトルにそのまま採用。1997年のことでした。

これに興味を引かれたのが、ライ・クーダーの友人であるヴィム・ヴェンダース監督。
ドキュメンタリー作品『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(1999)を撮ったら大ヒット。
一躍有名になった老ミュージシャンたちはワールドツアーを組むまでに。
音楽の聖地カーネギーホールでの演奏も果たしました。

あれから20年近くが経ち、そもそも高齢だったミュージシャンたちのうち、
ひとり、またひとりと他界。
女性ボーカルで今も健在のオマーラ・ポルトゥオンドは
“ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ”として最後のワールドツアーを決意。
かつての映像を交えながら、メンバーの音楽と共にあった人生、
そしてキューバ音楽の歴史をたどる作品です。

貧困を極め、人種差別がはびこる国で、彼らが奏でつづけてきた音楽。
急にもてはやされるようになり、喜ぶと同時に戸惑いも見えます。
楽しげに踊る聴衆の姿を見て、「私たちの何がわかっているの?」という疑問をメンバーは持ったりも。

本作を観ると、音楽の楽しさを感じると同時に、切なさで苦しくなります。
亡くなる数週間前、数日前まで音楽を奏で続けた人たち。
最後の音は土の中で。最期まで音楽と一緒。

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