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『リリーのすべて』

2016年03月29日 | 映画(ら行)
『リリーのすべて』(原題:The Danish Girl)
監督:トム・フーパー
出演:エディ・レッドメイン,アリシア・ヴィカンダー,ベン・ウィショー,
   セバスチャン・コッホ,アンバー・ハード,マティアス・スーナールツ他

梅田で5本ハシゴした翌日は春分の日。
この日は2本だけ観られそうだったので、ふたたび梅田へ。

1本目の本作はTOHOシネマズ梅田別館アネックスにて。
前日とこの日と、すっかり「全部洋式」が普通になりましたが、
大丸心斎橋店と同じ、クルッと回る扉がなんだか嫌い。

世界で初めて性別適合手術を受けたデンマーク人、リリー・エルベの実話が基。
性転換手術というのが普通だと思っていましたが、性別適合手術なのですね。なるほど。
実在のリリー・エルベは1882年生まれ。1904年に結婚。
1930年から1931年にかけて5度の手術を受けるも、
残念ながら拒絶反応を起こして3カ月後に死亡したそうです。

1926年、デンマークのコペンハーゲン
風景画家のアイナー・ヴェイナーは結婚して6年。
実力を認められ、売れる画家になりつつある。

妻のゲルダは肖像画家。力は持っているはずだが、売れる作品が描けない。
夫の活躍を間近で見ていて、ときには羨ましく妬ましい。
しかしふたりはゆるぎない愛で結ばれている。

ある日、モデルを頼んでいた踊り子のウラが遅刻。
焦るゲルダはアイナーにモデルの代役を頼む。
ウラが着るはずだった衣装を身にまとい、靴に足を入れるアイナー。

意外にも楽しそうなアイナーを見て、ゲルダはちょっと遊びたい気分に。
アイナーに女装をさせ、“リリー”として外に連れ出す。
ところがほんの遊びのつもりだったのに、アイナーが本気に。
会場に居合わせた男性ヘンリクとアイナーがキスを交わすシーンに出くわし、
ゲルダは激しく動揺するのだが……。

初めて性別適合手術を受けた人の物語ではありますが、
それよりもむしろ、初めて性別適合手術を受けた人の妻の物語です。

アイナーおよびリリー役のエディ・レッドメインは芸達者な役者ではありますが、
彼の心のうちはこちらにあまり伝わってきません。
観客が感情移入するのはアリシア・ヴィカンダー演じるゲルダのほう。
先日のオスカーで助演女優賞に輝いたことに納得。
好きになって結婚した人が性同一性障害で、自分がそれに気づかせてしまった。
彼にとって彼女がいちばんの理解者で、彼女は彼を見捨てられません。

この手の作品を観ていていつも感じるのは、男性が女装してもやっぱり男性。
タイのオカマとか、はるな愛とか並みに、どこから見ても女性に見えるほど
綺麗な人にはならないんですよねぇ。
なのに自分の姿を見てうっとりするところにすでに違和感があり、
いつも話にのめり込めません。
そういうところは気にすべきではないと思うのですが、
老けメイクを受け入れられないのと同じなのかもしれません。

こういう人がいたという事実は興味深く観ましたが、
私にとってはついていきづらい話で、「ふ~ん」で終了、かなぁ。

あっ、そうそう。踊り子ウラに扮するのはアンバー・ハード。
この人だったのね、去年ジョニー・デップと噂になっていた女優さん。

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