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映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『猫は逃げた』

2022年03月24日 | 映画(な行)
『猫は逃げた』
監督:今泉力哉
出演:山本奈衣瑠,毎熊克哉,手島実優,井之脇海,中村久美,伊藤俊介,芹澤興人他
 
前述の『偶然と想像』の次に。同じくテアトル梅田にて。
 
今泉力哉監督と城定秀夫監督がそれぞれ脚本を書き、
今泉監督の脚本で城定監督が、城定監督の脚本で今泉監督が撮るという面白い試み。
R15+指定のラブストーリーを競作するプロジェクト“L/R15”の1本です。
 
どちらも観るつもりですが、上映時間の都合で今泉監督の作品を先に鑑賞。
それに、どうやら私は今泉監督作品が結構好きなようなのです。
『街の上で』(2019)、『あの頃。』(2020)などなど、心に残っているもの多数。
一方、城定監督の作品はあまり知らないのですが、
昨年観た『アルプススタンドのはしの方』(2020)はとても面白かった。
 
漫画家の町田亜子(山本奈衣瑠)と週刊誌記者の広重(毎熊克哉)は離婚の相談中。
広重は同僚の沢口真実子(手島実優)と浮気していて、
それを知った亜子は編集担当者の松山俊也(井之脇海)と寝るようになったが、
広重は亜子と松山の関係に気づいていない。
 
すでに夫婦関係は破綻していてお互いに相手もいるのだから、
すぐにでも別れてかまわないのだが、唯一の問題が飼い猫のカンタ。
亜子も広重もカンタのことを溺愛しており、手放したくない。
猫の「親権」をどちらが取るかで離婚話はまとまらず。
 
そんなある日、カンタがいなくなってしまう。
カンタが自由に家の中と外を行き来できるように引き戸は常時開けているが、
出かけても夕方には必ず帰ってきていたカンタが戻って来ず……。
 
カンタの身に何が起こっていたかは想定内で驚きは無し。
でも今泉監督の女性の表情の捉え方はやっぱりいいなぁ。
亜子と真実子の切ない気持ちがわかる台詞と表情にキュンとしました。
彼女たちに振り回される松山役の井之脇海も可笑しいし、
シャンとしない広重を演じる毎熊克哉にも惹かれます。
あと、アーティスト気取りのクズ映画監督役という設定で、
オズワルドの伊藤俊介が出演しています。伊藤沙莉好きとしては兄の活躍も嬉しい。
 
漫画家の妻と、作家を目指していたダメ夫の姿には
あれも面白かったけれど、こちらのほうが後味は良い。
カンタの名演技もご覧ください。
 
で、どの辺がR15+指定かというと、山本奈衣瑠も手島実優もしっかり脱いでます。
亜子が連載を持っているのはレディースコミックだし。
ふたりともわりと胸小さめなのは今泉監督の好みなのでしょうか。
 
城定監督作品の『愛なのに』の主演、瀬戸康史もカメオ出演。
こりゃますますそっちも観なきゃですね。

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