『ダム・マネー ウォール街を狙え!』(原題:Dumb Money)
監督:クレイグ・ギレスピー
出演:ポール・ダノ,ピート・デヴィッドソン,ヴィンセント・ドノフリオ,アメリカ・フェレーラ,ニック・オファーマン,
アンソニー・ラモス,セバスチャン・スタン,タリア・ライダー,シェイリーン・ウッドリー,セス・ローゲン他
前述の『僕らの世界が交わるまで』を観たあと、TOHOシネマズ梅田へ移動して。
でも良い役者なんでしょうね。嫌な役のときはこれ以上ないくらい嫌な奴、良い役のときは良い顔に見えてくる。
これは圧倒的に後者だったため、ちょっと好きになっちゃいましたね(笑)。
2021年に起きた実話に基づく。めっちゃ面白かった。
マサチューセッツ州ブロックトンに暮らすキース・ギルはごく普通のサラリーマン。
妻のキャロラインと生まれてまもない愛娘と3人で幸せな日々を送っている。
金融アナリストであるキースは、毎日の暮らしのかたわら、
投資アドバイザーの“ローリング・キティ”として動画配信をおこなう密かな人気YouTuberだが、
大好きなコンピュータゲーム小売店“ゲームストップ”の株に注視していた。
2020年、コロナ下でゲームストップ株が下落していることに気づいたキースは、
その理由がヘッジファンドの空売りであることにも気づく。
キースはゲームストップ株がいかに魅力的かを説き、正当に評価すべきだと配信で訴えて、
自ら全財産をゲームストップ株につぎ込む。
賛同した小口投資家が次々と現れ、それぞれがゲームストップ株を買いはじめる。
「ダム・マネー(愚かな投資)」だと嘲笑っていたヘッジファンドだったが、
小口投資家の買いは止まることなく増えつづけ、ついにヘッジファンドを脅かすのだが……。
お金はあるところにはある。
総資産何十億何百億ドルという金持ちたちがさらに儲けようと空売りします。
私は株についてまったく知りません。本作を観ても、その仕組みは全然わからない。
だけど、金持ちがさらに儲けるための違法な手段がまかり通り、
今日死ぬほどではないにせよ、預金はせいぜい数十万から数百万円、
人によっては数万円てな一般庶民がわずかな楽しみにしている投資がつぶされる。
一般庶民だって儲けたい。金持ちになりたい。
でもこれはヘッジファンドに対する宣戦布告で、自分たちを舐めてんじゃねぇよというものだから、
いくら株価が上がっても、キースが売らないならと、誰も売ろうとしません。
キース役のポール・ダノ、彼を信じて共に株を勉強し、戦う妻キャロライン役のシェイリーン・ウッドリー、
最初はクズ野郎に思えたキースの弟ギル役のピート・デヴィッドソン、
キースを応援する人々のひとり、病院勤めのシングルマザー、ジェニー役のアメリカ・フェレーラや、
ゲームストップの1店舗の社員マルコス役のアンソニー・ラモスなど、みんな良かった。
余談ですが、驚いたのはそのマルコス役の上司としてデイン・デハーンが出演していたこと。
彼は若手の有望株で売れっ子になりそうだったのに、なぜにこんなチョイ役!?
ウォール街のお金の話は、株のことが何もわからなくても面白いですね。
それがこんな話だと余計に。なんか、『サマーウォーズ』(2009)みたいじゃないですか。
好きなんだもの、みんなで応援するやつ。