『ミッキー17』(原題:Mickey 17)
監督:ポン・ジュノ
出演:ロバート・パティンソン,ナオミ・アッキー,スティーヴン・ユァン,トニ・コレット,マーク・ラファロ,
アナマリア・ヴァルトロメイ,キャメロン・ブリットン,パッツィ・フェラン,ダニエル・ヘンシュオール他
イオンシネマ茨木にて『ネムルバカ』を観た後、109シネマズ箕面で本作のIMAX版を鑑賞。
『パラサイト 半地下の家族』(2019)ですっかり時の人となったポン・ジュノ監督が、
ニューオーリンズ出身の作家エドワード・アシュトンの小説『ミッキー7』を映画化。
そうですか、映画版では原作より10回も多く死んでいるのですね。(^^;
人が死ぬのを見るのが大好きな高利貸しダリウスから借りた金を返せるはずがない。
返済期限までに金を用意できなければチェーンソーでぶった切ると言われて逃げたい。
しかし、ダリウスは世界の果てまでも追いかけてくるはず。ならば宇宙へ逃げようと考える。
移民となる者を募っており、ミッキーとティモも応募を決めるが、凄い倍率。
特殊な資格や技術を持っていれば採用される望みはあるが、ミッキーには何もない。
そこで、ただ1人の枠が用意されていた“エクスペンダブル”に応募することに。
志願者がいるとは誰も予想していなかった枠で、ミッキーは直ちに採用となり、宇宙船に乗り込む。
エクスペンダブルとはその名のとおり、使い捨ての消耗品。
研究者たちによって開発された機械で死んでも死んでもクローン体がリプリントされるのだ。
未知の惑星にはどんなウイルスが存在するかわからないから、とにかくミッキーで試す。
実験しづらいこともミッキーで試して、人体がどうなるのか、どれくらい耐えられるのかを研究。
ミッキーが死にまくったおかげでワクチンも完成する。
何度死んでも、死ぬのは怖い。
そんなミッキーを支え続けてくれたのは、優秀なエージェントとして乗船している女性ナーシャ・バリッジ。
ナーシャはミッキー1から17まで、すべてを愛してくれている。
ある日、ミッキー17が船外にいる間に事故に遭う。
後に“クリーパー”と呼ばれるようになる謎の生物に食われるかと思いきや、クリーパーに助けられて生還。
ところが、ミッキー17は死んだと思われていたものだから、すでにミッキー18がそこにいた。
同じ記憶が刷り込まれているものの、性格は微妙にどころか大いに異なる。
優しく気弱なミッキー17と短気で暴力的なミッキー18。
モーティプル(=重複)は厳禁とされているため、17と18が存在していることが知られては困るのだが……。
IMAX版なんかで観なきゃよかったと思うぐらい、クリーパーの造形が気持ち悪い(笑)。
意思の疎通ができるとわかった頃には多少見慣れはするけれど、やっぱりキモイよ。
でもすごく面白い。
話もわかりやすくて、娯楽に徹した感のあるポン・ジュノ監督。
ロバート・パティンソンの演技も素晴らしく上手くて、この人こんなにいい役者だったんだと思いました。
ミッキー17と18はまるで別人に見えるんです。
ついついミッキー17に肩入れしたくなるところ、最後はかっこよかったなぁ、ミッキー18。
クリーパーよりトニ・コレットのほうが迫力あるやんと思ったぐらい。
最後に出るタイトルが“Micky 17”から変わるところ。良かった。