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ラモウんの「プログレ放浪聴(ほうろうき)100選」その6

2013年10月05日 06時01分00秒 | 僕の私のプログレ放浪聴(ほうろうき)
Massacre『KILLNG TIME』(1981) by Mr.Rapport

 このアルバムは、学生時代、明大前のプログレ専門店「モダーン・ミュージック」で購入。元ヘンリー・カウのフレッド・フリス(G)、元マテリアルのビル・ラズウェル(B)、当時若干19歳のフレッド・マハー(D)の三人からなるトリオ・プロジェクトである。
 何に似ているかと言われたら、再結成クリムゾンの『ディシプリン』を挙げられなくもないが、こちらのほうがよりハード、より野生的、より攻撃的、より無機質、より前衛的、より現代的、そしてより洗練されている。
 そんなMassacre――マサカの「KILLNG TIME」には二つの特徴がある。
 一つは全編通してメロディらしいメロディがないこと。かのモーツァルトは「メロディは美なり」という金言を残したが、彼の言葉を咀嚼すれば「美の欠片もない」ということになる。しかし「逆も真なり」。茶道家・千利休的に講釈すれば「それもまた美なり」ということになる。
 もう一つの特徴は、聴く側の感性によってさまざまなジャンルの音楽に解釈できること。人によってはハード・コア――パンクに聴こえるかもしれない。人によってはHMに聴こえるかもしれない。人によってはジャズ・ロックに聴こえるかもしれない。人によってはコンテンャ宴梶[・ミュージックに聴こえるかもしれない。人によって単なる雑音にしか聴こえないかもしれない。プログレたる所以はそこにあるのであろう。
 いずれにしても、マサカに触発され、ジョン・ゾーン等が現れ、現在のニューヨーク・アンダーグラウンド・シーンが形成されていったことの意味の大きさは計り知れないものがある。
 その後、マサカはこのアルバムを残したまま自然消滅してしまうが、近年になって再結成。今春には来日を果たし、ライブハウスでコンサートを行ったことを知ったときは大いに悔やんだものだ。
例によって、YOU-TUBEを貼り付けておきましたので、興味・関心のある方は視聴ください。個人的にはもりくまさんにお勧めしたいアルバムです(聴いたことがなければの話ですが)。
http://www.youtube.com/watch?v=b1kPa1PTajU

コメント (5)
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