おかげさまで生きてます

日々の暮らしのなかで

小旅行

2006年09月05日 | 日記・エッセイ・コラム
「じゃ、ホテルの予約、頼みますよ!」

ユキちゃんから電話があった。

今回の“馬鹿会小旅行計画”を立ち上げたのはユキちゃんだ。
同窓会でも感じる事だが、こういう事は、

“率先して動くヤツ”

がいないと、中々先には進まないものだ。
いわゆる

“幹事となる為に生まれてきたヤツ”

が必要となる訳だ。世話役を楽しんで出来るヤツだ。

しかし、ユキちゃんはこの“世話役”ではない。
なら何なのか?

良く言えば“プロデューサー”悪く言えば“黒幕”ってとこだろうか?

思えば馬鹿会の飲み会の時でも

「そろそろ、開催しましょか?」

一本の電話が入る。それを合図に僕が参加者の取り纏めを行う。
かといって、何もしない訳でもない。
今回のホテル選定作業においても、その行動力はなかなかのモノだった。

ネットで調べた“安価”なホテルの資料を持って来た。
景観や料理がよくわかるようにと、カラープリントした資料だ。

甲乙つけ難いホテルの資料を前に、
どうでもよくなっていた僕。
そんな僕に、丁寧に説明をしてくれた。

「どうです?この夜景は!」

別に女と旅行にいく訳じゃない。
野郎同士でのエロ旅行で、窓からの“夜景”を楽しむヤツなんていないだろう。
チェックインからチェックアウトまで、カーテンを開けないとも思える。

しかし、最終決定の理由は

“夜景がキレイだから”

と言う、なんとも乙女チックな選考理由が決め手となった。

「じゃ、予約しときます。」

それから2日後。

朝起きると、前日に着信があった事を知った。
ユキちゃんだ。

その日の内に、電話をかけ直すと、

「あの~、ホテルの予約とってもらえませんか?」

聞くと、ネットでのオンライン予約だと割安になるらしい。

「別にええけど」

ユキちゃんはパソコンを持っていない。ホテル資料を集めた時は
会社のパソコンを使っていた。

そして最終の打ち合わせと称して、居酒屋に集まる。

「とれました?」

無事予約がとれた事を告げる。

「詳細の連絡はどうしたらええ?」

「じゃ、お願い出来ますか?」

「別にええよ。」

連絡を回すと、ホテルの住所とかの問い合わせが馬鹿会員から
返ってきた。丁寧に説明する僕。

「あれ?いつから僕は“幹事”の一人になったんだろう?」

素朴なギモンが沸き上がった次の瞬間、根幹を揺るがすギモンが!


「俺、旅行に行くって、返事してなかったなぁ。」


ちょっとそこまで小旅行。これぐらいの軽さも必要だ。
 
 


コメント
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