おかげさまで生きてます

日々の暮らしのなかで

カラオケ

2006年09月16日 | 日記・エッセイ・コラム
少し時間が出来たので、ユキちゃんと二人で次へと向かう。

馬鹿会小旅行。お互い目当ての店へ一直線に向かった筈だが、
吟味に吟味を重ねてから行ったのか、それともウハウハで“はしご”してるのか、
誰とも連絡がつかない。

“空白の時間”

が出来てしまった。

連絡がとれたのはユキちゃん。

「もう一軒いっとく?」

「そうですね」

とは言ってみたものの、二人とももう“ヌク”気はなかった。
普段の運動不足で歩くのも疲れ始めた時、スナックにでも入って
休もうと言う事になった。

丁度立ち止まった所に一軒の店。扉の前には、存在感の極端に薄いおっさんが
立っていた。

「いらっしゃいませ!」

ただ座りたいだけの僕達からすれば、問題は“金”
おっさんの説明では

「30分、2,000円で歌い放題、飲み放題です」

(ほんまに、それだけかぁ?)

少し疑ってみたが、時間的には妥当な金額だと思ったので、入ってみる事にした。

結構広い店内。
壁には、青い空とワキタツ雲が描かれている。
なんともチープな内装だ。そして、客は僕達だけ。

ビールを頼むと、さっきのおっさんが運んできた。

(えっ? カラオケボックスかぁ)

そう思った時に、1人の女性が登場。
どこか陰のある感じだが、結構美形だ。

しばらくすると、もう1人やってきた。
こっちは、歳の割には明るく可愛いタイプだった。

「さぁー 歌って、歌って!」

ここでユキちゃん、もう一度確認。

「ここのシステムってどんなん?」

年増の方が、丁寧に説明してくれる。
どうやら本当に飲み放題・歌い放題らしい。

「あれ、あれ歌える? あのー あっ! 青春アミーゴ!」

早速のリクエスト。ありがとうございます。

僕も結構周りから「上手い!」と言われて調子に乗るタイプだが、
ユキちゃんは、正真正銘“歌が上手い”人である。
後にも先にも、この目で点数“99点”出した瞬間を見たのは、
ユキちゃんが「群青」を唄った時だけである。

青春アミーゴが、少し遅めのテンポで流れてきた。
二人でデュエット。
目の前のビールも半分程飲むと、

「取り替えましょか?」

と、常に冷えたビールへと交換してくれる。

美形の方は、東北出身らしい。会話をしててもなんとなく
イントネーションが違うと思っていたが、

「そうですか! やっぱり!」

と言う感じ。

絶えまなく流れ続けるカラオケと、頻繁に取り替えてくれるビール。
気分がよくなってきたので、延長は30分で3,000円だったが、
もう少し唄いたくなっていたので、ノープロブレムで延長。

しかし、一時間で5,000円。高いようで、安いようで。

(こんなんで、どうやって儲けるの?)

そう思い始めた時に、すべての謎が一瞬にして解ける言葉が
年増の口から発っせられた。

「2階へ行く?」

どうやら本業は2階のヘルスらしい。

 
 
「出ますか!」

充分休息した僕達は、颯爽と店を後にした。








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