バージニア労働者

アメリカで働くってどんな感じ?アメリカの企業で働く統計アナリストの労働ブログ。アメリカ生活小話や猫も登場。

テレワーク150日目(今夜限りで辞めていい)

2020年08月18日 | お仕事
今日のオーディオ会議では珍しく職場に衝撃が走った。


「急な話なんだけど、ニューヨーク支店のハリー、辞めたから。」とブラッドが言った数秒後、
ヘッドフォン越しにブーブー音がして、何だ何だあの音は!と思ったら、一人の同僚がブラッドを除く
全員にテキストを送ったからだった。私の携帯も鳴っている。
そこには、


Holy F$%&K!!!(なんてこった!)


とだけ書かれており、そこからはもうみんな言いたい放題でテキスト祭り。


ハリーはニューヨーク支店で営業のマネージャーとして長く勤めていて、成績が良かったので数年前に
晴れてディレクターに昇格した人だった。


私を含め、どうしてみんながこんなにも動揺するのかというと、ハリーの退職のアナウンスがあった
数時間前まで私も同僚もレポートをいつものように送っていたのだった。
今思えば今朝ハリーはサインオフになっていた。


ハリーは辞めたの?クビになったの?


携帯のテキストが次から次へと入ってくるから、ブーブー鳴りっぱなしで、きっとブラッドも
何事や?って思ったかも知れない。
これがビデオ会議だったら、うちらどうしてただろう。


そしたらすぐに仕事の早いエイドリアンが詳しい情報をゲットしてきた。


彼はテレワーク中に他の会社へ移るための就職活動を着々と進めていて、彼の上司にその会社から
内定を貰った報告をしたのが月曜日の夜。
そしてアナウンスがあったのが今日の昼頃。


追い出されたの?


彼が内定を貰った、次の会社名を聞いてみんなああ、そういうことかと合点する。


会社を辞めるとき、普通は2Weeks Noticeと言って、
会社に2週間の猶予を与えるのが基本。そうすることで、次の人への引継ぎが出来るから。


よそは知らんけど、うちの会社の場合、新しい勤務先が同業者である確率が高い。
ホンダに努めてた人がトヨタに移るみたいな感じね。
そうなると、会社はすぐに雇用を切る。


解雇ではなくて、正式な形で今までありがとうさよならお元気で。と言うように、
一刻も早くその社員を会社のシステムから排除する。


その理由は簡単。
うちの会社のビジネス戦略を守るため。


一見とても冷たく感じるが、実際に会社の戦略を盗んで辞める人もいるので、会社としては
素早くその人間を会社のシステムからシャットアウトしたい。


こうしてハリーはあっという間に会社からいなくなったのだった。


エイドリアンからそのニュースを聞いた後、
私たちの携帯も、ブーブー鳴らなくなった。








去る者日々に疎しという言葉がぴったりで、
あんなに一緒に熱く頑張っていたハリーも、いなくなったら所詮「過去の人」にしかすぎず、
残念だけど、これもまたお金を貰って仕事する代償のひとつなんだろうなと思った。


.
コメント (2)