マルセイユ12時2分発、定刻通りの出発でパリへ。
途中、懐かしいTGVアヴィニョン駅を通過。
二年前はここでドラマティックな、再会、お見送りを受けたグラブゾンのムッシュはどうしているだろうか。
連絡がなかったので、来日はきっとまだ果たせてないのだろう。
そんな思いを胸にTGVは、パリへ。
マルチーヌが迎えに来ているはずだ。
パリ・リヨン駅に。
あー、変わらぬ笑顔。ニースのミッシェル夫妻と並ぶ古い友人だ。
さて、ここからマルチーヌの家には、2018年にはバスで向かった。大きなスーツケース対策だ。その時はパリリヨン駅の近くに滞在していた時に予め、バス停をチェックしていた。
しかし、今回は、主人が覚えていると言ったそのバス停は、2022年図書館夫妻の家に向かったバス停だった。
あーあ。
マルチーヌは「メトロで」と再三言ったが、バスが便利だと思い込んでいるので、バス停を探しながらスーツケースを引きずって歩いた。
途中聞いてもみたが、少し遠かった。しかもそこにたどり着いたら、今日は大きなデモがあり、道路封鎖で運休。
ついていない。
警察車両が沢山止まっていて、なんだか物々しい。
ここ革命の国では、最近の日本の平和的なデモとは様相がかなり違う。バチバチという何かがはじけるような音や、煙が上がっていたりした。
マルチーヌに促され、メトロ駅へと向かう。
マルチーヌはここで、大きなスーツケースを貸してと彼女が引っ張った。そして階段で歩いていた人を止めて言った。「手伝ってもらえませんか」と。
若いアフリカ系の女性が「もちろんですよ。マダム」とスーツケースをさげて下まで下ろしてくれた。
マルチーヌはそのあともホームまで、また誰かを呼び止めて「お願いします。」と言った。
これをフランスで断る人はよほど急いでいる時間のない人位だ。
マルチーヌはよくわかっている。「いつもこうやって助けてもらっているのよ。だからメトロのほうが早いし便利なのよ」と。
彼女は数年前に乳がんを患っているので、重い荷物が持てない。だから彼女が「スーツケースを貸して」と言った時はためらったのだが、こうして助け合う社会はなかなかいいものだと改めて感じた。
そういえば2023年に来日したマダムも「メトロはみんな親切でスーツケースを持ってくれたのよ。」と言っていた。頼まなくても持ってくれることがほとんどで、頼めばほぼ100%手伝ってもらえるのだ。
パリ到着早々、フランスの博愛の精神にもつながる温かさを受けることになったのだった。
市役所(Hotel de ville) 駅に着いた時も、もちろん手伝ってくれる人がいた。そこからマルチーヌ宅まで、すぐ近い出口が新設されていた。
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