
戦争の過ちを二度と繰り返さないという認識をみんながもち復興に取り組むことが、日本の民主主義の前提にあったのが、昭和という時代でした。
ただ昭和に語り継がれた歴史親は、おもに弾圧や空襲の「被害者」としての歴史でした。
思えば、1970年までの学生運動が活発に展開されたころの日本では、過去を悔やむ歴史の感覚がみんなに共有されていたからです。
「今やっておかないと後で後悔する」という歴史から学んだ悔恨が人びとを突き動かしていたのです。
しかし平成末期には、自然災害や原発事故など、もっぱら目の前で起きたことにあたふたしていたので、過去から学んだ歴史観はすっかり薄くなりました。
社会はそれほど前進せず、地震と福島第1原発事故という未曽有の体験を味わったのでした。
そして、令和の時代に入ったのです。
そこに、今年が昭和100年というキャンペーンがうちだされています。
100年目だと言われても、具体的に「昭和」と私たちの現在はどうつながるのか、そうした歴史観がないので、あまり盛り上がらないでしょう。
過去から続く社会を、戦争をはじめとした、かっての失敗も含めて、私たち自身が引き受けてゆくのが民主主義です。
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