2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。
昨日、思春期の中学生は思いを言葉にするのが難しい時期があると、ブログに書きました。
お父さんが帰宅すると、お母さんが「あの子に〇〇のことを聞こうとするんだけど、何も話さないの。何を考えているかわからないわ。お父さんから一度聞いてみてよ」と言います。
このときお父さんは、時間をたとえば30分だけと決めて、聴く覚悟をすることです。
とりあえず、聞くだけは聞いてみようかとか思わないことです。30分間は腰を据えてしっかり聴こうとするのです。
できれば1時間の方がいいのです。子どもは最初ポツリポツリしか話さないですし、話し出したら30分はすぐ過ぎてしまいます。
や中学生の集中力は1時間程度しか続かないので、1時間に決めるのが望ましいですが、とくに話したがらない子の場合は30分にして、聴くことに徹するようにします。
そして、「わが子の胸の内をわかりたい」と強く思うことです。そして、聴くのです。
こんな会話は、失敗例です。
お父さんが息子を居間に呼びます。
わが息子にお父さんが「好きなことをいってみろ」。
「・・・」
(少しイラっときて)「黙っていたらわからないじゃないか」と言います。
こうなると、子どもはますます言えなくなります。
その結果、お父さんが自分の考えを一方的に話して、最後は「しっかりやれよ」とか言って、親のペースだけで終わってしまい、まったく会話にならないことがあります。
そうではなく、この会話のとき、子どもがお父さんは「ぼくの言うことを聞こう」と思っているとわかれば、その父の態度にうれしく思います。「わかろうとしてくれている」。
そんな態度を自分にとってくれることがうれしいのです。
なお、1時間の間、対話すると決めても、ちょっとコーヒーを飲むので中断するということはあってもいいです。話が煮詰まり、意識的にちょっと気を抜くのは効果的です。
しかし、中断しない方が望ましい局面もあります。大切な話になっているとき中断すると話の腰が折れてしまいます。
また、中学生は敏感で、相手の挙動をよく見ている生徒もいます。生徒と面談をしていて、「先生、いまほかのこと考えていたやろ」とすかさず突っ込んできます。
そんなときは、「そんなことはない」とか「申し訳なかった」などと言わず、「わかった? こちらも一生懸命聞くのはしんどいんや」と返せばいいのです。
ここまで、読まれると、「子どもにそれほど気をつかわなければならないの」と感じる親御さんもいるでしょう。
もちろん、上記の話は極端に無口な子の場合に関してです。
同じ中学生でも、親によく話してくれる子もいます。でも、全部が全部を、親にあけすけに話しているのではありません。心の中は、多かれ少なかれ揺れているのです。
極端に無口な中学生の心の揺れは、思春期のすべての中学生を代表した姿です。
だから、極端な例を考えておくと、それは思春期のすべての中学生とのつきあいに役立ちます。
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