箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

胸にしまっておくこと

2021年01月04日 09時29分00秒 | 教育・子育てあれこれ

詩「だまっているだけ」

だれにだってあるんだよ

  ひとにはいえないくるしみが

だれにだってあるんだよ

  ひとにはいえないかなしみが

ただだまっているだけなんだよ

  いえば ぐちになるから

                            (相田みつを)



悩みや苦しみは、人に聞いてもらいたい。

こう思うことは多いものです。

カウンセラーは、聴くのが仕事です。

わたしは臨床心理を否定するのではありません。

たしかに聴いてもらえることで、心が軽くなり、前を向いて歩き出すことができます。

そういことが、実際にあると私は教職を通して経験しました。


しかし、その一方で、どんな人にも他人に言えない悩みや苦しさをもっています。

その人がそれを抱えて生きていると思うと、どことなくその相手に対する思いが深まります。

私はある生徒の厳しい家庭環境を知っていました。

ふつう、学校の先生で心ある人は子どもをみるとき、学校の場面だけでなく、その子の家庭での生活状況という「背景」に目を向けます。

でも、その生徒は厳しい家庭状況にもかかわらず、前向きな態度で学校生活を送っていました。

自分の中に悩みや苦しみを納めていることを知っていると、その人を支えたいと思う気持ちは高ぶるものです。

生徒を理解するのは、聴くことから始まるといわれます。

でも、話さない苦しみを知っていることも理解することです。


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