箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

学校給食の無償化拡大

2023年12月07日 06時35分00秒 | 教育・子育てあれこれ
わたしが中学校の教員になってしばらくは、大阪府箕面市では、中学校に「完全給食」(牛乳だけでなく、ご飯かパンの主食、おかずも揃った給食)はありませんでした。

生徒は、家からお弁当を持ってきていました。

生徒によっては弁当が用意できない日もあるので、学校にベーカリーが来てパン販売もしていました。

この頃の日本では、伝統的に子どもの食は親の責任という、人びとの意識が色濃く出ていたという事情がありました。

それが2010年代はじめまで続きましたが、その後は全中学校に給食室を新設し、自校調理方式の完全給食を実現しました。

全国的には、現在ではほぼすべての小学校で完全給食が出されています。

地域差が大きかった中学校でも、全国のほぼ9割以上が完全給食を行っています。

そしていま、給食に関する最新の話題では「給食の無償化」です。

2015年を過ぎたころには、無償化を行なっていた自治体は、わずか4%ほどでした。

しかし、2020年度には110以上の自治体が無償化を行いました。

そして、現在では約3割(子どもが多い世代に対してだけ行なっていり場合もふくめて)の自治体が給食無償化を実現しています。

今の世界情勢を受け、材料費が高騰していて、それが給食費にも反映されます。

しかし、それぞれの家庭の経済状況はコロナ禍で厳しくなっていて、給食費の値上げはかなり難しいのです。

それならばと、給食費の無償化に舵取りする自治体が増えているのです。

もっとも、自治体の首長が、首長選挙で学校給食の無償化を公約に掲げると、住民からの支持を集めやすいという内実があります。

とはいえ、公立学校の児童生徒に関しては、現在での貧困の特徴は家庭ごとの格差の拡大であることです。

給食費の無償化は貧困世帯にとって必要ですしその家庭を支援することは、すべての家庭を支援することにつながります。

それは現在での公教育の進むべき方向だと考えます。





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