箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

中学生がもつエネルギー

2022年02月01日 07時58分00秒 | 教育・子育てあれこれ
2月に入り、日本で最初の感染が報告されてからおよそ2年がたちました。

この2年間のコロナ渦への対応は、子どもを振り回してきました。

2020年の臨時休校に始まり、暴論とも言える秋期入学の降って湧いたような議論、度重なる緊急事態宣言、まん延防止重点措置など。

これらはすべて、子どもからすれば「おとなの事情」によるものです。

思えば2020年4月に中学に入学した生徒は今年の3月で2年生を終えます。それだけでも中学3年間の3分の2は,コロナ対策での制限ある学校生活を送ってきた「ウイズ・コロナ学年」になります。

おそらく4月からも感染防止を気にしながら学校生活を送ることになるでしょう。

思いきり友だちと自由に好きなことを話し、クラスメートと机を並べて学習にいそしみ、学校行事にクラスで盛り上がり、部活動などの課外活動に存分に打ち込む。

このような「ふつう」の中学校生活が送れなかった生徒たちの心情を思うと、胸が痛みます。


国のコロナ対策のための施策を議論するときの観点は、いつも経済か感染拡大防止かの二元論です。教育は後回しにされます。

教育を議論の観点に入れて検討すべきだと思います。

というのは、教育は日本の未来への「先行投資」であるからです。

いつも、子どもにとってどうであるかという視点を国策に盛り込む必要があると、わたしは思うのです。


また、校長も全校生徒を集めて朝礼や始業式・終業式、学校行事などで話ができないことが続いています。

生徒はずっとオンラインにより教室で校長の講話や話を聞くようになったからです。

それを「こんなご時世だからしかたない」と納得している校長ならそれでいいかもしれません。

しかし、500人以上の全校生徒が一堂に集まり、校長に視線を向ける。その時のダイナミックな雰囲気は経験しないとわからないかもしれません。

10代前半の若い子からエネルギーをもらい、校長自身がそのパワーをうけ、活気が沸き起こるのが肌でわかるのです。

「校長の話はおもしろくない」と世間から言われることもあります。

でも、じっとうなずいて聴いてくれる子、目をキラキラと輝かせて笑顔で聞いてくれる子、話のあとで感想を伝えてくれる子がいます。

これが校長が話す醍醐味です。

学校は、子どものパワーがみなぎる場所です。

全校生徒による全体合唱などを聞くとき、生徒たちのパワーが増幅され、校長にとっても、教職員にとっても教職のやりがいを強く感じるときなのです。




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