箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

豊かな人間関係をつくれる人に

2021年07月18日 09時29分00秒 | 教育・子育てあれこれ


私自身、あまりこの言葉は好きではないですが、いま「ひきこもり」の人が増えています。

「ひきこもり」と言えば、若い世代の人たちの問題と、いままで日本では考えられてきました。

学校時代に不登校になり、そのまま家庭に閉じこもっている若い世代に多い。

こんなイメージを持つ人が多いと思います。

でも、最近では、高齢者とその娘・息子がなくなっているのが発見されたという出来事があり、その娘・息子はずっと家に閉じこもるひきこもり状態であったと報道されています。

学校を卒業しても、1年ほどでやめて、また別の仕事を探して、そこも長続きしない人もいます。

私が教員の頃、高校進学をした生徒が中途退学する問題に出くわしました。

その退学理由を聞きとっているうちにわかったことがありました。

それは、学力的についていけないからという理由よりも、友だち関係が苦手とか築けないという理由が、多くを占めていました。

関西の場合、多くの子どもは、地域の小学校へ通い、いっしょに地域の中学校へ通います。

9年間慣れ親しんだ友だち関係を離れ、様々な地域からやってきた生徒と出会うのが高校です。

そこで、友だち関係をつくる難しさを感じる子も少なくないのです。

この課題を克服するとか、自分の居場所を見つけ、なんとか折り合いをつけるようになり、社会へ出ていければいいのですが、そのまま就職した人は人間関係をつくる難しさに直面します。

就職したばかりの新入社員は仕事ができなくて当然です。そこで、先輩社員に教えてもらい、また新人が入ってきたら、今度は教えて、人間関係のなかで仕事を身につけていきます。

いまネット上には、「仕事がつらい。上司や同僚がこわい。あしたからやめます」というような若い人のつぶやきが並んでいます。

そんな状況を意識して、子どもの頃から、さまざまな友だちと交流する機会をもっておくのが土台になるのは間違いありません。


「ひきこもり」の課題は、学校教育の課題でもありますが、子育ての課題でもあります。

子どもが小さいうちから、さまざまな制約はあるでしょうが、家にさまざまな子が遊びに来るとか、遊びに行く機会をもつのもいいと思います。


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