箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

休校期間は力を蓄える

2020年05月14日 07時59分00秒 | 教育・子育てあれこれ

休校が長引いており、親も不安が高まり、ストレスが大きくなっている場合があるのではないでしょうか。

 

「学習が心配」「生活のリズムが崩れている」「ゲームばかりやっていて、うことをきかない」・・・

 

ついわが子に口出しをしてしまう。

「勉強しなさい」、「ゲームばかりしてはダメ」、「早く起きなさい(寝なさい)」「すこしは片づけたら」・・・。

 

ところが、少し視点を変えてみて、子どもの望みという点から休校のことを考えてみてはどうでしょうか。

 

「勉強したい」「ゲームができる」「(人から言われず)自分で起きて、自分で寝たい」「片づけないと」・・・。

 

つまり、子どもの望みや意思を尊重し、休校を子どもが、自分の生活を自分でコントロールできるチャンスにするというとらえできないかということです。

 

起こされなくても自分で起きて、自分で寝る習慣づくりができる機会です。

ゲームにどのように付き合うかを自分で身につける機会にもなります。

学校からの学習課題を何時から何時までやるというように、子どもの望みに応じて生活を組み立てる機会にできるのが、休校期間であるということです。

 

そもそも、休校の間は、学校の日課を気にしなくていいのです。

子ども自身が、自分の望みや意思の通りやってみて、失敗をしながらもチャレンジするという、いわば「充電期間」にするという考えです。

 

不登校の子は、まさしく「充電期間」に入っています。


好きなことをしながらも、昼夜逆転にならないよう、起きる時間と寝る時間を学校へ通っている子と同じようにしようと自分で調整しています。


家にいても、学習の課題に自分なりにきめて取り組んでいます。好きなことを時間をきめて」やっています。

 

私が知っている、過去に不登校を経験した子は、家にいる間に、自分のしたい裁縫の時間をとって過ごしていたと話してくれました。

 

こうやって、充電期間を過ごし、力とエネルギーを蓄えた子は、中学3年生から毎日登校するようになりました。


「なんか、ふっきれたという感じかな」と、その子は家庭生活をふりかえって話してくれました。

 

一度学校で疲れてしまい、登校しないという選択をした子どもが、家庭で力をチャージして再び学校へ来るようになった。

 

わたしは彼女の成長をどれほどうれしく思ったことでしょう。

 

ですから新型コロナウイルス感染防止のための休校期間を、どの子にとっても「充電期間」がもてる時間であると、前向きに考えればいいのではというのが、私からの提案です。

 

親御さんや学校の教師は、「学校再開までに、子どもに何をさせておくか」と躍起になります。

真剣に考える必要はありますが、深刻になることはありません。

 

「学校再開までに、何をしたいの」と子どもに聞き、失敗したらやり直せるということを、子どもも親御さんも知ってもらえればと思います。

 

そのようにして、子どもは自律し、自立に向かっていくのです。

 



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