
昨夜は春のおぼろ月が、満月に満ちていました。
そもそも月は太陽の光を受けて輝いているのです。
むかし森鴎外が次のように言いました。
日の光を籍(か)りて照る大いなる月たらんよりは、
自ら光を放つ灯火たれ。
月は太陽の光があって、はじめて光を放つことができます。
それならば、小さくてもいいから、自分で光を放つ生き方を志したい。
人は、とかく「寄らば大樹の陰」のように、他者にたよるものです。
たよってはいけないというのではなく、人にもたれかかるのはよくないという意味に、私は解釈します。
他者とつながりながら自立する人というのは、そういうものです。
自分でできることは自分で行い、自分でできないときだけ人の力に頼る、そんな人間関係を豊かにもち合わせるのが自力です。
私は、森鴎外の言葉にある気概を、このように感じ取ります。
子どもを自立した人に育むのが家庭教育、子育てのめざすところです。
また、中学校教育のねらいを、個人という視点でみたとき、自立した個人に育てることをあげることができます。