箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

6月8日に想いを寄せる

2018年06月06日 10時43分26秒 | 教育・子育てあれこれ



今日は、6月の全校朝礼でした。

私から次のような講話をしました。

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箕面市立第三中学校創立記念日にあたって    H30(2018)6.6
                                 
生徒のみなさん、あさって6月8日は何の日かを知っていますか。

6月8日は、箕面三中の創立記念日です。そこで、今日の朝礼では、私からみなさんに、まえもって創立記念日の話をしておきます。

箕面三中は、昭和47年(1972年)6月1日に第一期工事が始まり、昭和48年(1973年)4月1日に第三中学校として、この箕面市瀬川の地に開校しました。この一期工事の校舎は、日本経済も高度経済成長期で、「消費は美徳だ」と言われた頃でした。どんどん生産して、どんどん消費したらいい。こんな時代でした。

ですから、三中はローカの幅、階段の幅など、とてもゆったりと作られたモデル校舎でした。職員玄関に入るとガラス張りのガーデンテラスがあり、当時は「ホテルみたいですね」と、全国からたくさんの人々が見に来られました。
  
この年の5月16日には校章の図案が決まり、6月8日に開校記念式を行いました。よって、この日を創立記念日としています。

また、この年の7月20日にはプールが完成しました。そして、今年で三中は創立45周年になります。

昭和49年(1974年)3月20日には、待望の体育館が完成しました。当時の体育館のフロアは木製ではなく、コンクリートの平面にゴムをコーティングをした、当時流行していた床材でした。しかし、このフロアは生徒が膝を痛めるということで、のちに木製のフロアに張り替えられました。

この年、1974年の9月30日には校歌が決まりました。校歌は「ささゆり」をテーマにして、三中生のあるべき姿を歌っています。「柴山、つまり雑木林に、人知れず咲く」というように「目立たなくても、謙虚にひっそりとたくましく学校生活を送る」という生徒像を表しています。私は、三中のみなさんは、ささゆりのような生徒が多いと感じています。
  
さて、生徒数は、その後、増え続け、昭和60年度(1985年度)から昭和63年度(1988年度)の4年間は、クラス数が全校で30クラスという時代を迎えました。

生徒数が増えるのに向けて、昭和52年(1977年)には、B棟のわたりローカより西側、つまり西南小側の校舎を増設しました。つまり、美術室や理科室などができました。

また、昭和56年(1981年)には、C棟のわたりローカより西側、つまり西南小側の校舎を増設しました。

そして、今年の3月31日までに、11596名の卒業生を出してきました。みなさんのお母さんやお父さんの中にも三中卒業生の人が、けっこうおられます。

三中が建っている場所は、もとは湧水がふんだんに出る池のようになっている土地でした。瀬川は箕面市の中でも最も海抜の低い土地で、扇状地のようになっており、箕面山脈から染み出してきた水が集まり、湧水が出る場所だったのです。

三中の敷地になっている土地にある、それぞれ湧水地点(井戸)には、名前がついていました。「弁慶の鏡水」、「七つ角の井」、「上の壺」、「下の壺」などと呼ばれていました。

昔からよい水の出る井戸の多い場所には人々が集まり宿場ができました。瀬川宿場町が発達したのは、まさにこれらの井戸のおかげだったのです。

ですから、学校が建つという話が出たとき、地元の人たちは、どんな日照りでも、田植えの頃になるとこんこんと湧き出す「七つ角の井」や「上の壺」、「下の壺」、「弁慶の鏡水」が、三中の校舎・グランドで失われることに、どれほど心を痛めたことでしょうか。

そこで、せめてもの保存活動として、校舎を設計する段階で次のように考慮されました。まず、グランドに上がる左わきには、池を作りました。これが「七つ角の井」を表します。生徒昇降口に向かって左側には、プールのような貯水ゾーンを作りました。これは「上の壺・下の壺」を表します。

そして国道側には蓮池を作りました。これが「弁慶の鏡水」を表します。この弁慶の鏡水は、あの牛若丸と弁慶の話にある、弁慶が戦に行く前には自分の姿を映して、身支度を整えたと言われています。それほど鏡になるほどのきれいな水をたたえていたいどだったという逸話があります。

さて、「学校ができるんやから」ということで、大切な田んぼを提供してくださった地元の人、「地元の子どもたちのためやから」とこんこんとわき出る名水の井戸をなくしてしまうことに、泣く泣く同意してくれた人々の思いが、いまの三中を支えています。

生徒のみなさんも、こんこんとわき出る水のように、いきいきと三中での学校生活を過ごしてください。それが昔の地域の人の願いに応えることになるのです。そして、みなさんのがんばりと努力が、箕面三中の歴史をを引き継ぎ、今後も発展させることにつながります。

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さて、この朝礼では、今年度初めての全校合唱をしました。

45期生、46期生、47期生による、「いじめZERO活動」の一環とした全校合唱「あの空」です。

この曲は、NHKの番組「いじめをノックアウト」の中で、全国から募集した歌詞をもとに、高橋みなみさんが作詞をしたものです。

「いじめをしてはいけない」という三中生としての信条を共有するために、この歌をうたいます。

視聴できます。つぎの「三中全校合唱 あの空」をクリックしてください。

「三中全校合唱 あの空」

また、図書委員会からは、箕面子どもの本アカデミーノミネート本の紹介がありました。